フェラーリ488シリーズでドリフトしよう! Dすれば分かるティーノ!? 真似できないマネッティーノの先進性!

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    東京車日記いっそこのままクルマれたい!

    第44回 Ferrari 488 Spider / フェラーリ 488 スパイダー

    フェラーリ488シリーズでドリフトしよう! Dすれば分かるティーノ!? 真似できないマネッティーノの先進性!

    構成・文:青木雄介

    編集者。長距離で大型トレーラーを運転していたハードコア・ドライバー。フットボールとヒップホップとラリーが好きで、愛車は峠仕様の1992年製シボレー カマロ改。手に入れて11年、買い替え願望が片時も頭を離れたことはない。

    革とカーボンの有機的融合デザインが、セクシーすぎる488の内装。走りだす前になでまわしたくなるし、走りと同様、全身に官能をみなぎらせている。ちなみにオープンは、し忘れました(笑)。

    先日、富士スピードウェイで行われた488シリーズの試乗会はとてもアグレッシブ。コースを走る以外にも搭載されたドライビングモード機能、マネッティーノを使用して「どんどんドリフトしてみましょう」という過激な内容だったんだ。結論からいうと5段階あるドライビングモードは、アクセルベタ踏みでも何ら怖いところのないウェットモードから、完全に素の状態で670馬力を解放し、パワードリフトしまくるESCオフまで運転支援機能の介入具合で、488は「ここまでキャラクターを変えるんだ」というのが、ま、五臓六腑に沁みて(笑)、よく分かったんだな。

    たとえばCTオフ(トラクションコントロール・オフ)では、ハンドル操作だけでアクセルベタ踏みでひたすら旋回ドリフトできる(ことになっている)し言い方はアレだけど、街乗りからサーキットまで488はどんなシーンでも、びっくりするぐらい高い偏差値を発揮するんだ。テールスライドしまくりのこんな過激な運転は、メーカーの試乗会でしか出来ないっすよ(笑)。フェラーリには感謝しかないんだけど、特にサーキットコースで見えた488らしさはマネッティーノ以外でいえば、3.9リッターの低排気量にして5リッターの自然吸気のように感じさせてくれるターボだよね。このIHIが造った、エンジンと完ぺきなマッチングを果たすターボチャージャーは、あらゆる回転数で強烈なトルクを発生させてくれる。

    高いアベレージでのフラットなトルク特性は、自然吸気エンジンでは出来ない所業だから一発でターボ効いてるって分かるんだけど、ターボに由来するネガティブなイメージはまったくなし。軽量化とあいまって、加速はソリッドだし、自然吸気だった458を懐かしむとかは、ちょっと違うと思ったな。それとね! 例えば488は街乗りばかりしてたら「旦那がアスリートだったって気づかなかったでしょう?」っていう、昨今のスーパースポーツ特有の二面性はあるにしろ、やっぱり低速で走ってなお優雅でセクシーなフェラーリらしさが完ぺきにある。もう東京車日記的には「これだよこれ」って感じなんだよね(笑)。もちろんサーキットに乗り入れて、限界まで引き出した印象の488は素晴らしい。

    でもサーキットって車両の性能を引き出せる場所だからこそ、270キロ出して、もてるスキルを振りしぼってコーナー攻めたりしてると、どこかでそれぐらい出来るのは「知ってた」って気になっちゃうんだ(笑)。実際、488のレース用に改造された車体に同乗走行させてもらったんだけど、そのレースカーと大きく違うのはロールバーが組まれてなくてシートがバケットじゃないぐらいで、ノーマルで乗っても488のサーキットでのポテンシャルは疑いようがなかった。上手いドライバーなら、ノーマルでもレース仕様に全然勝てるはず。

    逆に、むしろスーパースポーツはどれだけ街乗りにアジャストして、世界観を見せるかが腕の見せ所って気がする。その意味で「ウェット」や「スポーツ」は使わず、「レース」から上のモードじゃないと488は、危険でセクシーな本来のフェラーリらしさを見せてくれないって気がしたな。たとえ街乗りでも、ここ大事。テールが一瞬、流れて「はっ」とする。フェラーリはタナトスの匂いがしないとね。「クルマれた」って気がしないよね(笑)、と。

    ●エンジン:3.9リッターV型8気筒ツインターボ
    ●出力:670PS
    ●トルク:760Nm
    ●トランスミッション:7速DCT
    ●車輌価格:¥34,500,000~

    問い合わせ先:フェラーリ・ジャパン コミュニケーション

    TEL:03-6890-6200

    http://www.ferrari.com/