カイエンの本当に革新的なところとはなにか？ それは「SUV=スポーツカー」を常識にしてしまった点にあります。カイエンが両者を初めて結びつけ、登場から15年が経った今なお、SUVとスポーツカーの垣根をなくすアイコンとして存在しています。特に都市で目にするカイエンは、そのポルシェらしい、スポーツカーとしての高い運動性能をうかがわせる流麗なデザインに、SUVとしての塊のような存在感が加わり、自分が起源（オリジン）であると、さりげなく主張しています。

そう、この余裕の風格こそが、カイエンの真価を物語ると言えるでしょう。高い質感とドイツのクラフトマンシップに満ちたインテリアしかり。そこでは大人５人がくつろげる、広い室内空間でありながら、ドライバーにはスポーツカーでしか味わえないドライバビリティを提供し、その限界はサーキットでしか見出せません。仕事に、休日のアウトドアに、日常の様々な瞬間で、ポルシェとしか言いようのない、身も心も解放させるような素晴らしい体験を与えてくれるのです。そんなカイエンとしか言いようのない体験は、男性のみに与えられた特権ではありません。

カイエンはポルシェの車種で「もっとも女性に愛されている」といえる車種。小回りがきいて運転がしやすく、人も荷物も余裕で積めるキャバシティの広さはもちろん、仕事に家事に育児に忙しい毎日を送る世の女性たちに受け入れられるのは間違いありません。けれどもその魅力に加えられるべきは、何をおいてもポルシェならではのスポーツカー性能なのです。日常の中で、自分の思うままに操れるスポーツフィーリングを、自分が自分らしく立ち返る場所にする。カイエンが登場してから15年。カイエンはそんなハンサムな女性たちを、味方につけてきたポルシェと言えるかも知れません。