ブルガリからオーダーメイドのトゥールビヨンが登場。3種類の貴石を中心に「オクト ローマ」をパーソナライズ!

  • 文:笠木恵司

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オープンワークが施されたダイヤルやケースサイドに、マラカイト(写真)、オニキス、ラピスラズリの3種類の貴石を選んでセットできる。孔雀石とも呼ばれるマラカイトは紀元前2000年ごろからエジプトで宝石として使用されていたという。手巻き、18Kピンクゴールド、ケース径44㎜、ケース厚12.45㎜、パワーリザーブ約64時間。ブルガリ「オクト ローマ ナチュラリア マラカイト」¥14,806,000(税込予価)

超高額なグランドコンプリケーションなどの受注生産は昔から行われてきたが、ブルガリではカスタムオーダーできる「オクト ローマ ナチュラリア」を発表。フライング・トゥールビヨンを搭載した「オクト ローマ」を自分の好みで個性化できるシステムを導入した。専用のアプリ「マエストリア」を独自開発。これをインストールしたタブレット端末を用意したブティックで、3種類の貴石を中心として、ケース素材から刻印などのディテールを自由に選び、発注できる。納期はオーダーを受けてから約10か月後になるため、その進捗状況がEメールなどで写真とともに詳しく提供される予定だ。

オープンワークのダイヤルにスライスした貴石をはめ込んだ後に、超複雑機構のトゥールビヨンを慎重に組み合わせる。

そのベースとなる「オクト ローマ」は、8角形をアレンジした独特のケースに真円の大型ベゼルを持つコレクション。複数のファセットでカットされたラグも印象的だが、このケースに超複雑機構のフライング・トゥールビヨンを搭載。前面にブリッジがないため、1分間に1回転する心臓部の鼓動を細部まで堪能できる。周囲の機械式メカもすべて視認できるようにダイヤルはオープンワークが施されており、これを飾る貴石が「マエストリア」によるカスタマイズのハイライトとなる。いまの段階で選択できるのは、オニキス、ラピスラズリ、マラカイトの3種類。ケースサイドにもセットできる。色彩の調和を保つために、ひとつの石塊から収集。これをていねいにスライスした後に、ダイヤルなどに注意深くはめ込まれる。全工程が熟練職人による一貫した手作業というから、完成までに1年近いのも納得できる。

ブラックの輝きが神秘的なオニキスモデル。ケースはブラックDLC加工を施したチタン。他のスペックは前出モデルと同じ。ブルガリ「オクト ローマ ナチュラリア オニキス」¥10,252,000(税込予価)

ブルガリはイタリアを代表する宝飾ブランドだが、近年は機械式腕時計で世界最薄記録を連発してきた。2014年の手巻きトゥールビヨンを皮切りに、音で時間を告知するミニッツリピーター、そして17年に発表されたマイクロローター搭載の極薄自動巻きによって腕時計ファンの評価が確立したといえるだろう。それでも快進撃はとどまることなく、自動巻きトゥールビヨン(18年)、クロノグラフ(19年)、トゥールビヨン・クロノグラフ(20年)で5冠を達成。2021年も永久カレンダーで世界最薄記録を塗り替えている。

こうした極薄へのこだわりは「エレガンスの追求」から生まれたと開発担当者は語ったことがある。前人未踏の限界を目指す美学と超絶的な技術力が「オクト ローマ ナチュラリア」の背後にあるだけでなく、資源をムダにすることなく個性的な贅沢を楽しめる新しいオーダーシステムを結実させたといえるだろう。3種類の貴石をセッティングしたサンプルモデルが紹介されているが、組み合わせは基本的に自由。現在は30種類が可能であり、対象コレクションも順次拡充していくという。最近はメンズでも宝飾に抵抗がなくなってきたので、フライング・トゥールビヨンを大胆かつ華やかにパーソナライズしていただきたい。

パワーストーンとしても知られるラピスラズリを使用。バゲットカットのダイヤモンドをベゼルやラグにセッティングした華やかなモデル。ケースは18Kホワイトゴールド。他のスペックは前出モデルと同じ。ブルガリ「オクト ローマ ナチュラリア ラピスラズリ」¥27,896,000(税込予価)

問い合わせ先/ブルガリ ジャパン TEL:03-6362-0100