"世界最薄"の腕時計がSS素材で登場! ブルガリの新作をクリエイティブのトップが語る。

  • 文:並木浩一

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ブルガリが2021年の新作ウォッチコレクションを発表した。メンズウォッチでの大注目は、なんといっても「オクト フィニッシモクロノグラフGMT オートマティック」だろう。その魅力について、クリエイティブの指揮を執るキーパーソンであるファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニ氏に訊いた。

ファブリツィオ・ボナマッサ・スティリアーニ●1971年、イタリア・ナポリ生まれ。国立デザイン大学ローマ校(ISIA)でインダストリアル・デザインを専攻、イタリア・トリノのフィアット・スタイル・センターを経てブルガリに参加。現在はブルガリ ウォッチ デザイン センターのシニア・ディレクターとして、新作コレクションの指揮を執る。

今年のウォッチコレクションで最もホットな話題は「オクト フィニッシモクロノグラフGMT オートマティック」。スティリアーニ氏もその魅力に胸を張る。

「一昨年、自動巻きクロノグラフで最薄の世界記録を得たチタンケースの『オクト』を覚えていますか? 今度はそれを、ステンレス・スチールでフィーチャーしました。若干厚みを増したのですが、それでも8.75mm。自動巻きクロノグラフでは驚異的な薄さです。その一方で、防水性能は30mから100mへと、飛躍的に伸ばすことができました」

自動巻きクロノグラフの常識から考えると、8.75mmというのは驚くべき薄さ。シャープなフォルムを利して、スポーティなテイストに仕上がっている。ブルーのサンレイ文字盤に、インダイヤルのアラビア数字・針とインデックスの夜光もブルーで統一。

デザインも魅力的に一新された。

「ねじ込み式になったリューズが、従来のモデルより大きくなったのがわかりますか。性能のアップに応じて、よりスポーティさを強めているのです。新しいブルーのダイヤルに合わせて、夜光塗料のスーパールミノバにも初めてブルーを採用しています。実用性を高めるということは、毎日気持ちよく使えるものでなければならないということです」

フィアット出身の氏に「クルマにたとえると?」と振ると、「スポーツカーのなかでもGT、グランツーリズモです」と答えが返ってきた。

搭載ムーブメントの「キャリバーBVL 318」はオートマティックの巻き上げシステムに外周を走るペリフェラルローター(プラチナ製&アルミニウム製)を採用。100m防水ながらシースルーバックで、美しい眺めをまったく遮らない。

「オクト フィニッシモクロノグラフGMT オートマティックのような腕時計は、スイスのクラフトマンシップなしには決してつくれません。 毎日話し合い、アイデアを練り上げ、アメージングなプロダクトをつくっていくのが、スイスのファクトリーです。一方、いまでもオクトのブレスレットはイタリアでつくっています」

イタリアのブランドであるブルガリが、スイスで製造するウォッチ。卓抜なデザインと、高い技術が同居するそのクリエイティブには、ナポリで生まれ育ち、ローマで勉強したスティリアーニ氏自身も感嘆する。

「素晴らしいピースを最終的に創造するのは、このファクトリーでしかありえないのです。その素晴らしさに私もまた、惚れ込んでいます」

「オクト フィニッシモクロノグラフGMT オートマティック」自動巻き、ケース径42㎜、ケース厚8.75㎜、サテンとポリッシュ仕上げのステンレス・スチール製ケース、リューズにセラミック製インサート、シースルーバック、100m防水。¥2,002,000(税込)

問い合わせ先/ブルガリ ジャパン TEL:03-6362-0100