ビーエム!? 違う、そうじゃない。「BMW」とちゃんと呼ばせたいM2クーペのBMWたる理由とは!?

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    東京車日記いっそこのままクルマれたい!

    第22回 BMW M2クーペ/BMW M2Coupe

    ビーエム!? 違う、そうじゃない。「BMW」とちゃんと呼ばせたいM2クーペのBMWたる理由とは!?

    構成・文:青木雄介

    編集者。長距離で大型トレーラーを運転していたハードコア・ドライバー。フットボールとヒップホップとラリーが好きで、愛車は峠仕様の1992年製シボレー カマロ改。手に入れて11年、買い替え願望が片時も頭を離れたことはない。

    他がすべていいと、いつものBMWのインテリアも「これでよし」と納得させられるから不思議。そもそもBMWはドライバーを「大人」と尊重してるんだ。たとえば安全装置の入切だってドライバーに任せる。そういうのが伝わるインテリアなんだな。

    連載22回目にしてM2とは、妙な縁を感じてしまう今日。そういえば前回は2シリーズのアクティブツアラーだったから、つくづく2シリーズに縁が……、と言いたいところだけど「違う、そうじゃない」(by 鈴木雅之)。ミニバン仕様でFFのアクティブツアラーとM2ではほとんど対極といっていい訳で、M2に乗ったいま「なんでアクティブツアラーを2シリーズにしたかなぁ」と憤懣やる方なしメンな訳ですよ。ま、いまさらだけどね(笑)。そんなM2は、乗る前から「とはいえ選ぶならM3かな」と思ってた俺にパイルドライバーを食らわせた感じなんですよ。

    まず小型クーペとしての比類なき格好よさでしょ。何と言ってもストーンガードを付けなければいけないほどの、モリモリしてるリアのブリスターフェンダー形状がグラマラス!ここがこのクルマのデザインのスタート地点にしてクライマックス。HIPがHOPしたドンとした感じが好きなら、どうしてもここに眼がいっちゃうからね(笑)。ここへ行きつくというか。それでMシリーズならではの、フロントフェイスが完璧にスパルタンな面構えでしょう。ギュッと前から横、後ろまでコンパクトにデザインが凝縮してるんだよ。だからどこから見てもキレてる感じがするんだ。これはヤバイ。

    このクルマは「峠に行くしかない」と思って、ヤビツ峠へ行ってきたんだけどね(笑)。バイクやロードサイクル向きの狭くてツイスティなワインデイングは完璧にM2のための道だったね。箱根ターンパイクじゃないんだ。あのブリスターフェンダーから弾きだされるFR独特の、腰の中心をぐいぐい押してくる感じのトルクとDCTのキレのあるシフトワーク! きりりと引き締められた足まわり! 正直これがMTなら「もっと楽しい」と思ったけど、ま、近々出るようなのでそっちも楽しみに待とうか。それと何と言っても、高速で加速したときの胸のすく直6の音! アクセル踏めば待ってましたとばかりに、ウォォォォンって狂おしく鳴くんですよ。もうたまらないぐらいBMWですよ。いっそ「えー。好きなクルマ? ビーエムゥー」とのたまう、軽薄なビーエム党(美人)を横に乗せてだね。「違う、そうじゃない」と鈴木雅之ばりに、その真髄を見せつけたいと思うね、ホント。あはははは。

    ま、M2でこのサイズのクーペはBMWの独り勝ちだと思ったな。販売のライバルって意味でいえば、M3だって食われちゃうかもね。それというのもM2は2シリーズクーペの最上位に完璧にふさわしいし、往年のBMWらしさもある。エントリーモデルがそもそもの話で素晴らしすぎて、最上位モデルの良さが伝わらないケースってあるでしょう。そこが「違う、そうじゃない」って感じ(笑)。でも2シリーズがそれに値しないっていうんじゃなくて、比較するべくもなく明確な線が引かれてるってことなんだ。それでいてこのMモデルが700万超で買えるんですよ。もう買うしかないじゃないですか!俺!?  俺は22年後、22万で中古のM2を買う予感がしているね(笑)。あはははは。でも逆に値上がりしてるかもよ。それこそルーツの名車、2002シリーズみたいにね。

    BMW M2 クーペ/BMW M2 Coupe
    ●エンジン形式:3ℓ直列6気筒ターボ
    ●最高出力:370PS
    ●最大トルク:465Nm
    ●トランスミッション:7速M DCT
    ●車両価格:¥7,700,000

    問い合わせ先:BMWカスタマー・インタラクション・センター
    TEL:0120-269-437

    www.bmw.co.jp/ja/all-models/m-series/m2-coupe/2016/at-a-glance.html