ビールをゆっくり注いで楽しむ、“美細”な泡と香り。

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    青野 豊・写真photograph by Yutaka Aono

    ビールをゆっくり注いで楽しむ、“美細”な泡と香り。

    保冷機能も付いた本格ビアサーバー。この一台で、ビールの楽しみ方が変わるはずだ。¥32,400

    秋から冬にぴったりの酒がビールだと言ったら、驚くだろうか。いや、そんな季節にこそ、amadana(アマダナ)の本格ビアサーバーで注いだ極上の一杯が合うのだ。同社の代表、熊本浩志氏は開口一番、「ビールはノド越しで味わうものだって思っている人が多いでしょう?とりあえずの1杯でノドの渇きを癒すものだってね。でも、食後にゆっくりと味わうビールがあってもいい。コーヒーやワインを楽しむようにゆっくりと味わうという飲み方があってもいいと気づかされたんですよ」と語る。そんな時に大切なのは「泡」。細やかでクリーミーな泡でビールの蓋をすることで、時間が経ってもずっと変わらないひと口が味わえる。それを手軽に叶えるのがビアルゴなのだ。 

    使い方は至極簡単。栓を開けたビールをセットして中蓋のチューブを容器に差し込み、上蓋を閉めるだけで準備完了。まずはグラスを斜めにして抽出口にセットする。手にしっくりと馴染む革巻きのハンドルを手前に傾け、静かに抽出しよう。計算された流速によって、香り立つビールが注がれる様子にきっと心躍る。この段階では泡立ちは見られないが、7割ほどを満たしたら、グラスを垂直に戻してハンドルをゆっくりと奥に押し込むと、1秒間に5万8000回という高出力超音波による〝極美細〞な泡でグラス内が満たされ、目にも美しい黄金比の1杯が完成する。グラスをトンと置いた時に、底から泡が浮き立つのを発見できたら、それはとても上手に注がれたビールの証し。中のガスが逃げないようにビールをグラスの内壁に沿わせるように注ぐことで、泡を再生しながら飲み終わるまで常に極上の口当たりを楽しめるのだ。 

    もともと、このビアルゴは、醸造家たちがつくったクラフトビールを再現すべく生まれた銘柄『マスターズドリーム』を、最もおいしく飲むためのビアサーバーとして開発された。そのため、ペルチェ式の冷却方式で適温をキープ。このビアルゴには、マスターズドリーム以外なら、味のしっかりとしたコクのあるタイプが合う。上面発酵のエールビールなどもお薦めだ。 

    ブラックのボディにリアルメタルが採用された風格のデザイン。醸造タンクからインスパイアされたという、美しいフォルムのビアサーバーは、カウンターやテーブルに置いてある、ただそれだけで心が満たされそうだ。ビールを飲むことよりも注ぐことに情熱を傾けたくなるという新しい体験。ふわふわの泡を唇で感じながら、ひと口ひと口を確かめるように飲みたくなるという味わい方。好きな音楽でも楽しみながら、この一杯をぜひ。

    高級感のあるレザー調のハンドルを、前に傾ければビールが、後ろに傾ければ、きめ細かな泡が抽出される。

    神原サリー
    新聞社勤務を経て「家電コンシェルジュ」として独立。豊富な知識と積極的な取材をもとに、独自の視点で情報を発信している。2016年、広尾に「家電アトリエ」を開設。テレビ出演や執筆、コンサルティングなど幅広く活躍中。
    ※Pen本誌より転載