ピュアなハートが夜空で弾け飛びそうに! 百戦練磨のイタ...

東京車日記いっそこのままクルマれたい!

第19回 アルファ ロメオ「4C スパイダー」/ Alfa Romeo 4C Spider

ピュアなハートが夜空で弾け飛びそうに! 百戦練磨のイタリア貴族、アルファ ロメオの純真とは?

構成・文:青木雄介

編集者。長距離で大型トレーラーを運転していたハードコア・ドライバー。フットボールとヒップホップとラリーが好きで、愛車は峠仕様の1992年製シボレー・カマロ改。手に入れて9年、買い替え願望が片時も頭を離れたことはない。

ドアノブが革のベルトになっていたり、部材のリアル・カーボンがこれ見よがしだったり、ステッチがきっちり入ったバケットシートが妙に艶めかしかったりと、そぎ落としの美といえどもアルファ ロメオはアルファ ロメオ。オプションのナビもいらないぐらい、その世界観はエモい。

まったく前知識を入れずに乗った4Cスパイダー。驚きのあまり、開口一番「イタリア男の純真かよ」って突っ込みを入れたよね。てっきり「イタリア手練の貴族であるアルファ ロメオが捲土重来をもくろんだ戦略車なのだろう」という思い込みは、もろくも崩されることになった訳なんだ。けれどもそれが最ッ高にいい裏切りだったんだな。1.7リッターの直列4気筒ターボに、カーボンモノコックで史上最軽量レベルまで重量をそぎ落としたボディ。アクセルやブレーキ周辺は鉄板と配線がむき出しだし、ソフトトップは車を下りて自分で外さなきゃいけない。ステアリングもアシストなしのダイレクト極まりない構造で、2016年の新車とは思えないピュアスポーツぶり。結果この4Cスパイダーが何を得ているかというと、軽量ミッドシップレイアウトならではのステアリング性能と、凶暴なエグゾーストノートをほぼ全身で浴びられるレーシーな構造なんだ。

レースモードにしてターボを全開で効かせると、獲物を追いかけるシャチが一瞬海上でする息継ぎよろしく、グハッと吸気する音を生々しく響かせちゃうぐらいエモーショナル! つまり最もミニマムな構造で、ハードコアなスポーツ性能を得ている訳なんだ。スーツでもフットボールでもイタリア人は出自や原点のスタイルを“クラシコ”と呼んで、とても大事にしている。なぜアルファ ロメオがライトウェイトスポーツなのかって、そこに答えがある気がするんだよ。この方向性はレースへの原点回帰に他ならないし、ある意味、特権階級的ブランドイメージをもってるアルファ ロメオがやらなくてもいいのに、「あえてやる」感が格好いい。正直言うとね、東京で足として使おうとすると、その重いステアリングゆえに最適とは言い難いさ。これよりラクで、足代わりになるスポーツカーなんて掃いて捨てるほどある。しかし! このスタイルが好きなら、モードを語る人が冬場に厚着しないのと一緒で、揺るぎない覚悟を貫くべき。そして真夏でも真冬でもオープンルーフの「MRスパイダー」であるべき。特に首都高はこのクルマの特性にぴったりだからね。ターボの鋭い加速と軽量高剛性でオン・ザ・レールなハンドリングマシーンぶりなんだから、湾岸線には出ないで真夜中の首都高都心環状線をひたすら周回してたいね。「今夜もC1、C2あたりで4Cを」なんてね(笑)。

それと4Cが出たことで、これまでライバルらしいライバルが見当たらなかった“ライトウェイトスポーツの雄”ロータス・エリーゼにも、スポットライトが当たったと言えるんだよね。サヴィル・ロウか、クラシコかっていう英国、伊太利亜のスーツ・スタイル代理対決を、ここでかぶせていっても全然良いと思うな。もともとスーツも、フットボールも英国発祥でしょ。イタリア人が、そこに自分たちらしさを加えるからスタイルとして面白い訳でね。そもそもからしてライトウェイトスポーツは、スタイル勝負なんだって。スタイルとはビスポークが理想的だし、その先は自分好みのカスタムでしょ。誰が乗っても快適なスポーツカーに乗るより、そのスタイルがどの方向に行ったとしても「自分だけのクルマ」を駆る方が楽しいことは間違いない。4Cスパイダーは存在からして、そう主張してるんだよね。

アルファ ロメオ「4C スパイダー」/ Alfa Romeo 4C Spider

●エンジン形式:1.7ℓ直列4気筒ターボ
●最高出力:240ps/6,000rpm
●最大トルク:350Nm/2,100~4,000rpm
●トランスミッション:6速デュアルクラッチ
●車両価格:¥8,618,400

問い合わせ先:アルファ・コンタクト TEL:0120-779-159
www.alfaromeo-jp.com/4cspider/