安藤忠雄モデルの凄さで再認識する、「オクト」の魅力。
両天秤の腕時計
文:並木浩一 写真:宇田川淳

安藤忠雄モデルの凄さで再認識する、「オクト」の魅力。

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BVLGARI
ブルガリ

時計界と建築界にまたがる素敵な大ニュースが、ブルガリと建築家・安藤忠雄のあっと驚くコラボレーションだ。わずか200本だけつくられる限定モデル「安藤忠雄×ブルガリオクトフィニッシモオートマティック」はいま、世界中からひと目見たいと熱望される存在である。
もともとは時計ファンなら誰でも知っている、ブルガリオクトフィニッシモオートマティック。そのダイヤルに、安藤は渦巻く螺旋を加え、無限の時間を寓意するかのような、大胆なメタモルフォーゼを与えた。ブルガリ発表による安藤のコメントは以下の通り。「遠い宇宙空間に存在するブラックホールというテーマが頭をよぎった。時計の周辺から秒を刻む中心に向けて渦を巻き、次第に深みに見えなくなるといったイメージである。時とともに広がる水の波紋でもある。それは、集中から拡散への、時を超える、無限、永遠性の表現である」
ダイヤルと、サンドブラスト加工されたケースの素材には、軽量でアレルギーフリーのチタンが選ばれている。裏蓋には限定の旨の表記と、クリスタル上に巨匠のサイン。200エディションだけの芸術品だ。
だからこそ再確認されるのが、その芸術性を引き出した原モデル自体の魅力だ。ケース厚が極薄5・15㎜のありえないブレスレット・ウォッチ。ネーミングの語源ともなっている特徴的な八角形のインスピレーションの源泉は、ローマ帝国の4世紀初頭に建築された「マクセンティウスのバシリカ」である。
遺構のアーチから天井を見上げると、格天井を成す無数の“オクト”がこちらを見下ろす。古代ローマを代表するバシリカの壮観を、現代のマエストロが知らないわけもない。稀代の建築家はその形象を、無限の空間と時間に解き放った。定番か限定かを超えた高みで、2モデルは並んでいるのである。

  • ブルガリ オクト フィニッシモ オートマティック

    自動巻き、機械式マニュファクチュールムーブメント、極薄のステンレス・スチール製ケース、ケース径40㎜、ケース厚5.15㎜、パワーリザーブ60時間、セラミックを施したチタン製リューズ、チタン製ブレスレット、30m防水。¥1,674,200(税込)

  • 安藤忠雄×ブルガリ オクト フィニッシモ オートマティック

    基本スペックは上モデルに同じ。サンドブラスト加工のチタン製ケース、安藤忠雄による螺旋模様のチタン製ダイヤル、安藤のサインと「Tadao Ando- Limited Edition」の文字が記されたシースルーバックケース、限定200本。¥1,980,000(税込)

ブルガリ TEL:03-6362-0100

安藤忠雄モデルの凄さで再認識する、「オクト」の魅力。