ひっくり返してこんがり焼ける、新発想のプレート

  • 文:神原サリー

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青野 豊・写真photographs by Yutaka Aono

ひっくり返してこんがり焼ける、新発想のプレート

加熱しながらひっくり返せるので、溶けるものを挟んでも均一に行きわたらせることが可能。¥8,640(税込)

竹の台座にホワイトのプレートを組み合わせたフォトジェニックなホットプレート「テーブルグリルピュア」でその名を知らしめたプリンセスから、再びわくわくする調理家電が登場した。熱伝導性と耐久性に優れたセラミックコーティングの白いプレートが使われているのはホットプレートと同様だが、この「ホットスナックメーカー」はかなりコンパクト。さらにはフタとなる部分にも熱源があるため、上下から熱を与えることができるのが特徴。つまり“世界最小のオーブン”というわけだ。  
厚切りの食パンを使ってチーズトーストをつくってみる。電源スイッチを入れ、3分ほどで予熱が完了。適温ランプが点いたら食パンを置き、その上にたっぷりとシュレッドチーズをのせてフタを閉じる。チーズが上のプレートに押されてジューッと音がするが、ご心配なく。やがてすき間から蒸気が上がり始め、それが落ち着いたころ(時間にして3分弱くらい)フタを開けてみると、惚れ惚れするほど美しい焼き目がついたチーズトーストが出来上がっている。パンの底面はさっくりと歯触りがよく、噛めば香ばしいチーズとふんわりとしたパンのハーモニーが絶妙。これまで試してきたどんなオーブントースターよりも美味な、極上の焼き上がりに感動する。  
薄切りトマトとソーセージを加えたアレンジバージョンもまた絶品。トマトの水分を飛ばしてしっかり焼くために、焼いている途中で本体の上下をひっくり返すのがポイントだ。そう、こんなふうにひっくり返すことができるのも、ホットスナックメーカーならではの便利なところ。フタとなる部分の重みが食材にかかるので、最初に食材を置いた面のほうに熱がしっかりと届き、焼き目も濃くなる。だが、どちらの面を下にしても使える仕様にしているので、料理に応じて熱の加え方を自在に調整できるのだ。  
パン以外にも切り身の魚を焼いたり、野菜をバターソテーしたり、ベーコンエッグをつくったりという朝ごはんの支度はもちろん、夕飯のサイドメニューや焼きおにぎりづくりにも大活躍。平面プレートのほかに、大きめの網目模様を配したホットサンド用のプレートも付属。加えてワッフルやチュロス、まん丸なケーキポップがつくれるオプションプレートも3種類用意されているので、調理のバリエーションは無限に広がる。食材がくっつきにくく、お手入れがしやすいのもうれしい。  
ホワイトのスリムなボディはどんなインテリアにも合い、使わない時には立てておけるので場所を取らないのもいい。キッチンカウンターの上やテーブルの隅にいつもスタンバイさせておきたくなること請け合い。長く愛用できそうな、この冬イチオシの調理家電だ。

ワッフルやチュロス、丸いケーキポップなど、それぞれの用途に合わせたプレートもオプションで別売りに。

神原サリー
新聞社勤務を経て「家電コンシェルジュ」として独立。豊富な知識と積極的な取材をもとに、独自の視点で情報を発信している。2016年、広尾に「家電アトリエ」を開設。テレビ出演や執筆、コンサルティングなど幅広く活躍中。
※Pen本誌より転載