晩秋と718 ボクスター GTSの晩餐感!? 暮れゆく...

東京車日記いっそこのままクルマれたい!

第75回 PORSCHE 718 BOXSTER GTS / ポルシェ 718 ボクスター GTS

晩秋と718 ボクスター GTSの晩餐感!? 暮れゆく世界へ、アクセルを踏み込もう!

構成・文:青木雄介

編集者。長距離で大型トレーラーを運転していたハードコア・ドライバー。フットボールとヒップホップとラリーが好きで、愛車は峠仕様の1992年製シボレー カマロ改。手に入れて11年、買い替え願望が片時も頭を離れたことはない。

718 ボクスターは、正面からはフロントエンドがワイドに、横からはくちばしを尖らせているように見える。

秋深し。ポルシェのオープン2シーター、718 ボクスター GTSで連休を利用して軽井沢を走り回ってきた。紅葉に彩られた鬼押(おにおし)ハイウェーや浅間白根火山ルート、碓氷(うすい)峠あたりを走って、その距離ざっと800km。エンドレスでエンドルフィン分泌な夢見心地のあまり、こんなに運転で濃密な時間を過ごしたのは、いつぶりぐらいだろうって考えちゃったよね。 

マニュアルの3ペダルを1日運転して疲労感でぶっ倒れそうになっていても、降りた瞬間、猛烈に後ろ髪が引かれてまた走り出したくなる、あの感じ。このクルマのシート越しに感じる、低音でドッドッドッと脈打つ水平対向4気筒エンジンの鼓動が愛おしくて離れがたくなるんだな。エンジンを切ってもクーリングファンが回っていて、サイドのエアベントからグォォと空気を吸い込んでいる。 

押し出しの強さとコケティッシュな魅力が同居したフロントに、車重バランスのよさをうかがわせるサイドビュー、そして象徴的なエアインテークに無駄のないミッドシップレイアウトを感じる。オープンにした718 ボクスター GTSは走る気にさせるデザインだけど、控えめなジュエリーさながらの奥ゆかしさがあるんだ。  

ポルシェをはじめとしてドイツ系高級車がやたらと多い、日本版ロマンティック街道を地で行く軽井沢で選ぶべきは718 ボクスター GTSですよ。これは間違いないね。

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