真空がもたらす、野菜の鮮度となめらかな味わい。

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    青野 豊・写真photographs by Yutaka Aono

    真空がもたらす、野菜の鮮度となめらかな味わい。

    ビーガンが世界的に増えるいま、注目したいのは、気軽に野菜がとれるこんなマシン。¥41,040(税込)

    イデアインターナショナルが展開するブランド「BRUNO(ブルーノ)」の名に馴染みがなくても、ホーローをイメージしたデザインのコンパクトホットプレートのことなら知っている人が多いのではないだろうか。いつも食卓に出しておいて、さまざまな料理をつくりながら味わうという新しい食文化を提案した立役者。シーズンごとに新色が追加される楽しさもあり、累計販売台数が150万台を超える大人気アイテムとなっているのも頷ける。
    そんなブルーノに2 0 1 9年2月、新しいシリーズ「BRUNO crassy+(ブルーノ クラッシィ)」が誕生。平面、たこ焼き、深鍋と充実のプレートがセットになった「オーバルホットプレート」や「マルチ圧力クッカー」に続き、このたび第3弾として「真空マルチブレンダー」が発売された。買ってきた野菜を新鮮なうちにペーストにして保存して毎日の料理に役立てたり、朝つくるのは面倒なスムージーを前の晩につくって冷蔵庫で保存しても出来立てのような味わいが楽しめたりと、普通のブレンダーではできないことを可能にしている一歩進んだアイテムだ。
    ところで真空ブレンダーとは、どんな構造になっているのか。付属のガラスジャーに食材や牛乳、豆乳などを入れて本体にセットし、ボタンを押すと、ジャー内部の空気を吸引し真空に近い状態をつくる。それをキープしたまま攪拌するため、泡立ちがほとんどなく、なめらかな仕上がりになる。見た目にも濁りがなく、時間が経っても分離しにくい。酸化を抑えられるため、食材がもつ還元型ビタミンCの低減をも抑えられ、栄養価の高いジュースがつくれるのだ。高速ジューサーとスロージューサーのいいとこ取りといっていいだろう。
    豆乳、バナナ、冷凍ミックスベリーを使ったスムージーを飲んでみたが、そのなめらかな味わいにはびっくりする。そのほか、野菜やキノコをペーストにしておけば、パスタソースにしたりポタージュにしたりとヘルシーな料理が多彩につくれるのがいい。しかも、真空の魔法で色合いがきれいなまま仕上がり、栄養価も損なわないというのだから、なんとうれしいことだろう。日々の料理の手間が減るだけでなく、その上質な味わいに、食卓がランクアップしたような気分になれるのだ。
    オプションで用意されている保存容器セットを使えば、コーヒー豆や茶葉などを風味を損なわずに真空保存できるほか、唐揚げの下味を付けたり、ピクルスや浅漬けをつくったりという調理にも役立つのでさらに使うシーンが広がる。本体のカラーはグレージュとブラウンの2種類なので、どんなキッチンにも合うだろう。電気ケトルの隣あたりに置いて、毎日活躍させたい。


    ブレンダーにかけたものを真空状態で保存できる専用タンブラーと、スムージーのレシピブックが付属する。

    神原サリー
    新聞社勤務を経て「家電コンシェルジュ」として独立。豊富な知識と積極的な取材をもとに、独自の視点で情報を発信している。2016年、広尾に「家電アトリエ」を開設。テレビ出演や執筆、コンサルティングなど幅広く活躍中。
    ※Pen本誌より転載