素材違いの黒とアイボリーで迷う、アイコニックなデザイン

  • 文:並木浩一
  • 写真:宇田川淳

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両天秤の腕時計
文:並木浩一 写真:宇田川淳

素材違いの黒とアイボリーで迷う、アイコニックなデザイン

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JAQUET DROZ
ジャケ・ドロー

ジャケ・ドローの「グラン・セコンド」は、現在の腕時計シーンの中でも飛び抜けてアイコニックなデザインだ。時・分針の2針で表示する時刻表示インダイヤルは12時方向にオフセンター、それよりも大きい秒だけのダイヤルを6時方向にずらすのが基本レイアウト。ふたつのサークルは世界共通の吉数8を描き、横に見れば永遠を意味する∞に。デザインのルーツは伝説的な時計師ジャケ・ドローが18世紀につくった懐中時計に遡り、現代のジャケ・ドローはその懐中時計も復刻している。
ブランドの大看板だけに、バラエティは幅広い。ことに最新作の2本は、とびきり目を惹く秀逸なハンサム・ウォッチである。1本は「グラン・セコンド デュアルタイム オニキス」。大きなセコンド=秒表示サークルを利して、世界地図を中心にした24時間リングを備えた。つまりはGMT表示に加え、地球上のすべての時間をグラフィカルに把握できるワールドタイマーでもあり、さらには同じインダイヤルにポインター式のカレンダーも収めている。引き立てるのが艶やかなブラックオニキスの文字盤なのだが、ケースはステンレス・スチール。デザインと機構の優秀さと、プレシャスストーン製ダイヤルの豪華さを、抑制の効いたシックさにまとめている。
一方、レッドゴールドの躯体に高温焼成エナメル文字盤を合わせた華麗なモデルが「グラン・セコンド クロノグラフ アイボリーエナメル」。6時位置のインダイヤルにレトログラード式のカレンダーを備え、クロノグラフ針はセンターで走らせる。エナメル文字盤をバックに、ブルースチールの秒針と長尺のクロノ秒針が併走するダイナミズムは格別だ。 ステンレス・スチールで黒のデュアルタイムと、ゴールドでアイボリーのシングルプッシュ・クロノ。双方のレベルが高いだけ、選択に迷いが尽きないのである。

  • グラン・セコンド クロノグラフ アイボリーエナメル

    自動巻き、18Kレッドゴールド、ケース径43mm、ケース厚14.83mm、パワーリザーブ40時間、シングルプッシュボタン クロノグラフ、ブルースチール製クロノグラフ分針・秒針、手縫いアリゲーター革ストラップ、30ⅿ防水。¥3,639,600(税込)

  • グラン・セコンド デュアルタイム オニキス

    自動巻き、ステンレス・スチール、ケース径43mm、ケース厚13.13mm、パワーリザーブ65時間、第2時間帯表示、ブラック オニキス文字盤+18Kホワイトゴールド製メタルリング、手縫いアリゲーター革ストラップ、30ⅿ防水。¥2,062,800(税込)

ジャケ・ドロー ブティック銀座 TEL:03-6254-7288