日常を動画で残す “Vlog”に最適な、 ミラーレス一眼。

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    青野 豊・写真photographs by Yutaka Aono

    日常を動画で残す “Vlog”に最適な、 ミラーレス一眼。

    自撮りの動画もモニターを反転させることで、画角を確認しながら撮影できる。市場想定価格¥102,000(税込)

    ユーチューバーをはじめ、動画でのブログ発信である「Vlog(ブイログ)」がトレンドとなる中、パナソニックが発表したのが「ルミックス DC-G100V-K」だ。レンズ交換式のミラーレス一眼にもかかわらず、コンパクトカメラのような小ささと、レンズ込みで約400ℊ強という軽さで持ち運びも快適。上面の赤い録画ボタンは大きく、背面からでも前面からでもすぐにスイッチを押して撮影に入れる。

    “ブイロガー”用動画カメラならではの仕様が、動画セルフィーモードだ。モニターを反転させると自動で起動し、顔・瞳認識AF/AEや、録音モードもセルフィー用に自動変更。被写界深度を深くし、背景をぼけにくくさせる。撮影開始までの時間もわかりやすく、開始すると画面に大きな赤枠が表示されるので録画中であることが一目瞭然だ。

    動きの激しい動画撮影用の機能も充実する。電子式手ブレ補正とレンズでのブレ補正を組み合わせた「5軸ハイブリッド手ブレ補正」を採用。さらに「Vキット」に同梱される録画ボタン付きのミニ三脚も、安定撮影に役立つ。この三脚は畳めば一本の太いグリップに変形し、手持ちでのアクション撮影を可能にする。歩きながらカメラに目線を合わせて行う動画撮影などでは、本体を手で持ち上げて撮るより、グリップをつかんで撮影したほうがはるかに安定する。録画ボタンも適切な位置にあるのでオン・オフも簡単、撮りたい瞬間を逃がさない。

    音声収録も重要な問題だ。従来、ナレーションを明瞭に録りたい場合は外付けマイクを使用していたが、本機の目指すミニマムなスタイルにはそぐわないだろう。そこでこのカメラでは上部に3つのマイクを仕込み、360度方向の音をキャプチャー、ソフトウエアで目的の音像、音場をつくる「ノキア」のオーディオ技術が採用されている。映像で認識した被写体に向けて指向性を自動で切り替えるトラッキングモード、周囲360度を拾うサラウンドモードなど、その使い道は広い。

    実際に使用してみると、撮影はスマホよりはずっと快適だ。スマホは板状のため撮影時の安定性が決していいとは言えないが、G100は立体形状なので確実にホールドできる。また、スマホは画面に少しでも間違って触ると撮影が止まったり、別のモードに変わったりといったリスクがあるが、このカメラならばその心配もない。動画撮影時にシャッターボタンを押せば同時に静止画も撮影できる。データの転送も、スマホに専用アプリをダウンロードし、カメラ上部のアップロードボタンを押せばすぐに行える。

    スマホで撮影するよりも高品質に、自分自身の日常を記録できる最良の一台といえるだろう。

    「Vキット」に付属する三脚はグリップも可能。手持ちで移動しながら、動画撮影もスムーズに行える。

    麻倉怜士
    デジタルメディア評論家。1950年生まれ。デジタルシーン全般の動向を常に見据えている。巧みな感性評価にファンも多い。近著に『高音質保証!麻倉式PCオーディオ』(アスキー新書)、『パナソニックの3D大戦略』(日経BP社)がある。
    ※Pen本誌より転載