華麗なるダイヤへの憧憬か、超絶スケルトンの技巧か。
両天秤の腕時計
文:並木浩一 写真:宇田川 淳

華麗なるダイヤへの憧憬か、超絶スケルトンの技巧か。

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PIAGET
ピアジェ

ピアジェの極薄ドレスウォッチ「アルティプラノ」は、ダイヤモンドをセットしたモデル群が格別だ。白ダイヤルのスモールセコンド3針は、ケースを取り巻くダイヤモンドがクラシックな気品を添える。自動巻きでありながらわずか3mmの厚さしかないムーブメントが高さを抑え、ダイヤモンドセットの極薄ドレスウォッチの、理想的なスタイルをつくるのである。
そうした完璧さを超絶技巧の別世界に移し替えたのが、ダイヤモンドセットスケルトンの「アルティプラノ」である。同じルーツをもつ極薄ムーブメントを巧みにスケルトナイズしただけでなく、華奢な構造をダイヤモンドで埋め尽くして際立たせる。ホワイトゴールドの地にセットされた、259個ものダイヤモンドは圧巻だ。感動を誘う視覚は、腕時計とジュエリーの両方で世界を魅了するブランドの、ふたつの魅力が天井レベルで噛み合っているからこその眺めである。
ピアジェはまず時計づくりから始まり、優秀な時計師たちを擁し、ムーブメントを自社制作するマニュファクチュールとして名を馳せた。さらに宝飾時計をつくるようになった時も、外部発注はせずにすべて優秀な職人を抱えた。その彼らが“時計のない宝飾”をつくるようになり、ジュエラーとしても超一流になったのである。そんなピアジェの宝飾時計には無理がなく、贅沢に自然さがのぞく。ムーブメントからすべて自前で揃えられ、宝石と時計を美しく見せることを阻む制約が、そこにはない。
同じダイヤモンドセットの、片やノーマルでベーシックなドレスウォッチ。もう一方は超絶のスケルトン。どこにもないオーラと存在感を漂わせる2つのタイムピースのどちらにも、ピアジェの“必要以上によいものをつくる”という精神が、間違いなく宿っている。

  • アルティプラノ

    ●自動巻き、自社製薄型ムーブメント1205P搭載、18Kホワイトゴールド、ケース径40㎜、ケースにブリリアントカットダイヤモンド72個(約1.0カラット)、サファイアケースバック、22Kピンクゴールド製マイクロローター。¥4,026,000(税込)

  • アルティプラノ

    ●自動巻き、自社製薄型ムーブメント1200D搭載、18Kホワイトゴールド、ケース径40㎜、ケースにブリリアントカットダイヤモンド346個、バゲットカットダイヤモンド40個、ムーブメントにブリリアントカットダイヤモンド259個。¥22,880,000

ピアジェ コンタクトセンター TEL:0120-73-1874

華麗なるダイヤへの憧憬か、超絶スケルトンの技巧か。