放浪者の時間を味わう、変幻自在のコンプリケーション
両天秤の腕時計
文:並木浩一 写真:宇田川 淳

放浪者の時間を味わう、変幻自在のコンプリケーション

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GORILLA
ゴリラ

インパクトの強いブランド名とデザインで、独特の存在感を主張するゴリラ。時計ファンに強烈な記憶を残すアピールが、ワンダーリング・アワー機構を搭載する一連のモデルである。120度展開の分の目盛りを差しながら回転ディスクのアワー表示が周回する独創的な「表示系のコンプリケーション」。フランス語の呼称「ウール・ヴァガボンド」=「放浪者の時間」も言い得て妙だ。

しかも各ピースは技術だけでなく、ルックスでも個性を主張する。「アウトロー・ドリフト」は1970年代をイメージさせるスタイルを、グレード5チタンで造形してみせた。ブラッシュド仕上げのケースはそのエッジと、凹面ベゼルを鏡面にポリッシュ。ていねいなフィニッシュが上質な立体感を演出する。文字盤外周のフランジと回転する「スター・サテライト・ディスク」はアノダイズド(陽極酸化)・アルミニウム製。独特のブルーのテクスチャーが、ラバーとコーデュラのハイブリッド・ストラップに呼応して映える。

一方、「ドリフト・ミラージュ」は、そもそものゴリラのアイコニックなイメージであるスクエアのフォルムを採る。ワンダーリング・アワー機構を搭載した、ホット・バージョン。パウダー・ブルーにオレンジを効かせた、いわゆるガルフ・カラーが意味深だ。そのカラーリングにチェッカー柄のフォージド・カーボンと「ミラージュ」の名を被せると、空想は60年代のサルテ・サーキットへと飛ぶ。それは2019年のアカデミー賞で4部門にノミネートされた『フォードvsフェラーリ』でクリスチャン・ベールが疾走させた、伝説のレースカーの記憶なのだ。

特別でエクスクルーシブなムーブメントは、それだけでも価値があるスイスの名工房ヴォーシェ・マニュファクチュール・フルリエの設計。両モデルとも世界250本だけの限定と、希少性も高い。

  • アウトロー・ドリフト

    ●自動巻き、グレード5チタン、ケース径42㎜、ワンダーリング・アワー機構(ヴォーシェ・マニュファクチュール・フルリエ設計・開発)、パワーリザーブ約38時間 、シースルーバック、ラバー×コーデュラ製ストラップ、100m防水。¥693,000(税込)

  • ドリフト・ミラージュ

    ●自動巻き、フォージド・カーボン×アノダイズド・アルミニウム×チタン×セラミック、ケースサイズ44×48.5㎜、ワンダーリング・アワー機構、パワーリザーブ約38時間 、シースルーバック、ラバーストラップ、100m防水。¥660,000(税込)

G&Rジャパン TEL:03-5422-8087

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