先進センサーで、部屋をくまなくクリーンアップ
青野 豊・写真
photograph by Yutaka Aono

先進センサーで、部屋をくまなくクリーンアップ

千葉工大の未来ロボット技術研究センターfuRoと技術提携し、商品化が実現。実勢価格¥154,000(税込)

パナソニックからロボット掃除機「ルーロ」の新モデルが、2020年4月に発売される。三角形の特徴的な形をした初代ルーロが登場してから今年で5年が経った。今回のモデルでは格段に機能や精度が向上して、ロボット掃除機の先駆けにして代名詞にもなっているアメリカ発「ルンバ」の最上位モデルに匹敵するほどの仕上がりになっている。

その理由は千葉工業大学の未来ロボット技術研究センターfuRoと技術提携し、先進のテクノロジーを搭載しているからだ。2015年のモデルではランダム走行しかできなかったものが、17年モデルでカメラセンサーの搭載により自分の位置を俯瞰的にとらえて、広い部屋でも効率的に掃除ができるようになった。そして新モデルでは、レーザーセンサーを使った空間認識技術「レーザーSLAM」により、360度全方位の空間を素早く正確に認識して部屋の環境を測定。間取りや床にあるもの、動くものなどを認識して地図を作製し、どのように動いて掃除をすれば効率よくできるかを判断して動く。

もう少しかみ砕いて説明すると、1秒に10回転という高速回転をしながら、ルーロ円盤部の下に配置された360度レーザーセンサーが壁にレーザーを発射。障害物に当たって跳ね返ってくるレーザーを感知することによって距離を算出して地図を構築し、自分の位置を把握していく。半径8m先まで検知できるため、広い部屋でも間取りの把握が正確にできるというわけだ。

実際に動かしてみると、床に置いてあるものや壁などにぎりぎりまで近づくのに触れることなく、床のゴミをすばやくきれいにしていく様子に感心させられる。2.5cmまでの段差を検知するとグインと本体が持ち上がって敷居のような段差でも軽やかに乗り越え、ラグなどの敷物を巻き込むことなく進んでいく様子が見事で、これもまさに次世代という感じだ。驚くほど運転音が静かなのもいい。

それに加えユニークな「otomo(オトモ)」機能というのが搭載されていて、これが魅力的なのだ。充電中のルーロの本体天面のシルバーの円盤部を3回トントントンとたたくと、180度回転してたたいた人(最も近くにいる人)の足を認識し、その足について移動し、その足が5秒間止まるとそこをスポット掃除して充電台に戻っていく。おまかせで完璧に掃除ができるだけでなく、こうした人間との関わりの要素をもたせることで、ぐんと愛着がわくものだ。そんな情緒的な価値を携えているところに好感がもてる。

これまでのロボット掃除機に不満を感じていた人にも、購入に踏み切れなかった人にも自信をもってお薦めできる一台だ。

先進センサーで、部屋をくまなくクリーンアップ

ピンポイントで掃除したい場所がある際、その場所まで歩いていけばルーロがついてきて掃除してくれる。

神原サリー
新聞社勤務を経て「家電コンシェルジュ」として独立。豊富な知識と積極的な取材をもとに、独自の視点で情報を発信している。2016年、広尾に「家電アトリエ」を開設。テレビ出演や執筆、コンサルティングなど幅広く活躍中。

パナソニック
電話番号:0120-878-691

※Pen本誌より転載
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