ブライトリング、日本限定で狙うは伝説のディテールかシリアスな名機か。

  • 文:並木浩一
  • 写真:宇田川 淳

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両天秤の腕時計
文:並木浩一 写真:宇田川 淳

ブライトリング、日本限定で狙うは伝説のディテールかシリアスな名機か。

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BREITLING
ブライトリング

ブライトリングからは前触れなく、サプライジングなモデルが登場することが珍しくない。なかでも特に注目されるのが、“日本限定”のスペシャルピースだ。ブライトリングファンを酔わせる品には、それを目的に日本を目指すべきほどの価値がある。「クロノマット JSP」は、まさにそうした必見の一本だ。“ジャパンスペシャル”を意味するネーミングのモデルは、先代クロノマットの生産終了で姿を消した「ライダータブ」を、サテン仕上げベゼルとともに復活させているのである。

ライダータブは1984年に誕生した初代クロノマットで世に出た、伝説的なディテールだ。パイロット・クロノグラフ史上の名品の象徴的アイコンは、2代目の「エボリューション」に引き継がれ、2009年に名誉の退役を遂げた。ジャパンスペシャルは、もう一度、英雄を最前線に立たせたというわけだ。

そしてもう一本は「ナビタイマー B01 クロノグラフ 43 ブラック マザー オブ パール ジャパン エディション」。長い名前は徹頭徹尾、魅力だけを語っている。航空機のコックピットで使用可能な回転計算尺を備えた特異なスタイルは、1952年以来ずっと空への憧れをかき立ててきた。シリアスなその名機「ナビタイマー」を、日本限りの仕様「真珠母貝のダイヤル」に換装してみるとどうなるか。プロのための計器はとびきり華麗な装いによって、ソリッドな造形に独特の色気を匂わせるのである。

日本限定の「クロノマット」も「ナビタイマー」も、ブライトリング自社開発・製造のキャリバー01を搭載し、独創的なブレスレットを装備する。内側も外側も充実し、文句の付けようがない。世界的にも目の肥えた日本のファンが育んだ、ブライトリングへの想い。誠実に応える倫理観と美意識は、少しもゆらいではいないのだ。

  • ナビタイマー B01
    クロノグラフ 43 ブラック
    MOP ジャパン エディション

    ●自動巻き、ステンレス・スチール、ケース径43㎜、自社開発製造ムーブメントCal.01、COSC公認クロノメーター、パワーリザーブ約70時間、両方向回転ベゼル、回転計算尺、MOP文字盤、SS製ブレスレット、3気圧防水。¥1,254,000(税込)

  • クロノマット JSP

    ●自動巻き、ステンレス・スチール、ケース径44㎜、自社開発製造ムーブメントCal.01、COSC公認クロノメーター、パワーリザーブ約70時間、ライダータブ付きサテン仕上げベゼル、ステンレス・スチール製ブレスレット、500m防水。¥946,000(税込)

ブライトリング・ジャパン TEL:03-3436-0011