AIアシストと”瞬感起動”で、快適な今日的PCライフを。

  • 写真:青野 豊 photographs by Yutaka Aono

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AIアシストと”瞬感起動”で、快適な今日的PCライフを。

狭額縁の高精細ディスプレイを搭載。キーボード、マウス、リモコンが付く。実勢価格¥203,280(税込)

デスクトップパソコンが売れている。コロナ禍、家にこもる環境下で人気が急上昇。興味に駆られ、富士通の新製品を見て、売れる理由がわかった。徹底したマルチメディア性とユーザーフレンドリーな操作性だ。

改めて考えると、我々が映画や音楽などのコンテンツに接するには必ず放送、ネット、パッケージのいずれかのメディアを経由する。だが、それらをきちんと再生し、録画、録音し、享受できるメディア機器は、実に今日的なデスクトップパソコンだけ。AV機器だと、CDプレーヤーはパッケージメディアのCDだけを再生。地デジ等を受信するテレビはネット接続が標準になったが、CD等が再生できるものはまれだ。

ところが、この機種はほとんどすべてのAVメディアに対応する。内蔵ドライブによるパッケージのCDやDVD、BDの再生。さらに地デジ・BSの受信と録画、ネット動画へのアクセス……。最近のデスクトップパソコンはここまで対応するものなのかと感心するほどだ。

もちろんパソコン本来の知的機能も充実。ネット検索をはじめ、写真加工や、文書・画像編集……と知的ベースでもある。さすがにこれらは一般のAV機器ではご無体だ。オンラインターミナルとして、ノートパソコンとHDMIで結び、この23・8型液晶をテレワークのサブ画面として利用する手もある。

ユーザーフレンドリーな機能も注目だ。パソコンの前に座るだけですぐにスタンバイから立ち上がる「瞬感起動」。通常、キーボードや指紋などで暗号解除を認識させる動作には一定の時間が必要だ。それをカットするため、下部フレームに人感センサーを、上部フレームに対応ウェブカメラを搭載。人が近付いたら赤外線センサーが感知、カメラをオンし、座るとすぐに顔認証をする。センサー+カメラで動作を格段に速くし、使いたい時に即座に使える。

もうひとつのユーザーフレンドリーが、キーボードの工夫。各指の力に合わせてキーの重さを設定した。いちばん力が強いのが親指。次に人指し指、中指、そして弱いのが薬指、小指だ。この力具合に応じて、親指で押すスペースキー、小指で押す左右部と、それぞれ最適な重さを仕込んだ。実際に試すと、スペースキーは親指の強い力にしっかりと反発し、AやPの端のキーは小指の弱い力でも押し込む必要なく、的確に認識してくれてキー入力時のストレスが減った。

流行のAIアシスタントも搭載。独自技術で開発した「ふくまろ」だ。ファイル検索やネットの動画・音楽再生に加え、家電操作も画面内のふくまろが実行してくれる。

実に今日的なニーズに応えたAV機能と快適操作性を兼ね備えている。

AIアシスタントは既製品ではなく自社開発。声をかけると、愛らしいキャラの「ふくまろ」が都度対応してくれる。

麻倉怜士
●デジタルメディア評論家。1950年生まれ。デジタルシーン全般の動向を常に見据えている。巧みな感性評価にファンも多い。近著に『高音質保証!麻倉式PCオーディオ』(アスキー新書)、『パナソニックの3D大戦略』(日経BP社)がある。
※Pen本誌より転載