夢のような英独自動車文化のエンゲージ!?新型ヴァンテー...

東京車日記いっそこのままクルマれたい!

第81回 ASTON MARTIN VANTAGE/ アストンマーティン ヴァンテージ

夢のような英独自動車文化のエンゲージ!?新型ヴァンテージは、大いなるヘリテージの中に。

構成・文:青木雄介

編集者。長距離で大型トレーラーを運転していたハードコア・ドライバー。フットボールとヒップホップとラリーが好きで、愛車は峠仕様の1992年製シボレー・カマロ改。手に入れて9年、買い替え願望が片時も頭を離れたことはない。

野性の肉食獣を想起させるエクステリア。車体カラーの「モルテン」は鎮火していく残り火を表したもの。

DB11が好調なアストンマーティンの、最もスポーツ性能が高められたモデルがヴァンテージだ。新型は真摯に走行性能を研ぎ澄ませたスポーツカーでありながら、英国流の上質なテーラードスーツが似合う、たぐいまれなクルマでもある。結論から言うと新型ヴァンテージは、新たなブリティッシュスポーツのベンチマークに他ならない。皮肉たっぷりになんだかんだと言いながらも、「世界一の自動車文化をもつ国」という看板を下ろさない、英国のエンスージアストがニヤリとほくそ笑む顔が浮かぶってものですよ。
まずそのデザインなんだけど、GTカーであるDB11同様、映画「007」シリーズの『スペクター』に登場したDB10からインスパイアを受けつつ、レーシングカーであるヴァルカン(24台のみ製作)のデザインを踏襲している。ヴァンテージの特徴的なフロントエンドに細長く据えられたヘッドライトや、リアの獰猛な大型ディフューザーは確かにヴァルカンの気分。 「さぁ、リトル・ヴァルカンはどんな走りだろう?」と走り出すと、想像に違わない走行性能に驚かされる。最初から本領を発揮させるために走行モードをトラックモードに入れると、エンジンは高い回転数を維持しながら野太い排気音を響かせる。メルセデスAMG GTと同じ4ℓのV8ツインターボは、本家のそれに近いフィーリング。車内にはアフターファイアの炸裂音が響き渡り、急加速すると車体はフロントのトラクションを失いかけるようなホットロッド的な挙動も見せる。野性味があって、フラットかつ強力なトルク特性があらゆる速度域で発揮されているので、首都高から峠やサーキットまで、どこでも骨太のリアルスポーツを引き出すことができる。

名門ブランドを象徴する、英国流のスポーツカー

特筆すべきは新シャーシの剛性感と、エンジンをコックピットに寄せてトランスアクスル化した重量バランスのよさだね。軽量化されていても「軽くはない」感じ。この車体を、ハンドルのグリップポイントにのせた親指の腹あたりでコントロールする。もちろん握ってもいいけど、ヴァンテージは低い着座位置から腕を伸ばし気味のクーペポジションで操りたくなるから、グリップしないのが本当の「ヴァンテージポイント」って感じですよ(笑)。

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