ラバーストラップとSSブレスで迷う、極上の日常使い。
両天秤の腕時計
文:並木浩一 写真:宇田川 淳

ラバーストラップとSSブレスで迷う、極上の日常使い。

51

PARMIGIANI FLEURIER
パルミジャーニ・フルリエ

パルミジャーニ・フルリエは、そもそも“とっておき”の腕時計だ。神の手をもつとも称される凄腕時計師・ミシェル・パルミジャーニ率いる、玄人好みのブランド。緻密で複雑な伝統的スタイルのドレスウォッチは、マニアも一目置く。だからこそ着けていく場所を選ぶブランドから、“本格的デイリーウォッチ”と言える「トンダ GT」が誕生したことは、昨年のビッグニュースだった。

話題の一本は、スモールセコンド3針の「トンダ GT」。予想を裏切る、ラバーストラップを装備するモデルをフィーチャーした。ローズゴールドケースに、三角錐を連ねた“クル・トリアンギュレール”ギョーシェのブルー文字盤。華麗な素材とカラーの組み合わせは、アクティブなデザインの躯体を得て、まったく別のパルミジャーニ・フルリエ像を描く。革ストラップを回避し、強力な防水性能も得て、湿気にも汗にもへこたれず、水濡れを怖れない。ゴールドウォッチのデイリーユースという提案は、スタイルでも性能でも理論武装されているのである。

もうひとつの注目モデルは「トンダグラフ GT」。ステンレス・スチールのブレスレット仕様は、ブランド観を変えるアバンギャルドなセットアップだ。しかもただのクロノグラフではなく、高度なアニュアルカレンダー機能を搭載し、ビッグデイト表示を装備。コンプリケーションのレベルにあるユニットをタフに装う両義的な魅力が新しい。

実は装いを交換したSSブレスレットの「トンダ GT」、ゴールド×ラバーの「トンダグラフ GT」もあり、さらにはゴールド無垢のブレスレットモデルも「トンダ GT」にはラインアップされている。価格設定は、シリーズを通して納得がいくもの。比較と選択には相当迷わされるのだが、本数限定の縛りがタイトに設定されていて、そうは待っていてくれそうにない。

  • トンダグラフ GT

    ●自動巻き、クロノグラフ+アニュアルカレンダー、SS、ケース径42mm、ケース厚13.7mm、パワーリザーブ45時間、シースルーバック、「クル・トリアンギュレール」ギョーシェ文字盤、SSブレスレット、100m防水、200本限定。¥2,475,000(税込)

  • トンダ GT

    ●自動巻き、18Kローズゴールド、ケース径42mm、ケース厚11.2mm、パワーリザーブ45時間、ビッグデイト表示、シースルーバック、「クル・トリアンギュレール」ギョーシェ文字盤、ラバーストラップ、100m防水、150本限定。¥3,157,000(税込)

パルミジャーニ・フルリエ TEL:03-5413-5745

ラバーストラップとSSブレスで迷う、極上の日常使い。