旅が似合う世界時計は彩りで選ぶか、モノクロで行くか。
両天秤の腕時計
文:並木浩一 写真:宇田川 淳

旅が似合う世界時計は彩りで選ぶか、モノクロで行くか。

07

LOUIS VUITTON
ルイ・ヴィトン

“旅の時計”を名乗る仕掛けの腕時計は世に数ある。その中でも「エスカル オトマティック タイムゾーン」ほど人を“旅慣れて”見せる時計は稀だ。優秀な24時間ワールドタイマーを、カラフルな世界観の中に取り込み、シリアスな機能をファッションアイテムであるかのように装ってしまうルイ・ヴィトンの技は、偽悪的なほど心憎い高等テクニックである。ジュラルミン製スーツケースのように実用的でありながら、誰も真似できないセンスをもつ旅の時計は、ファッションやメディアに関わるこだわりの強い業界人ならずとも、喝采に値する。頻繁に世界を飛び回り、それを苦とせずにむしろ楽しめる“上級の旅人”のアイコンの座は、もはや不動である。
一方、完成されたそのスタイルに斬新なモディファイを加えたのが「エスカル オトマティック タイムゾーン スペースクラフト」だ。ルイ・ヴィトン製トランクをカスタムするためのペイントに起源をもつグラフィックから、色彩をすべて抜き取ってみせた。潔いモノクロームのワールドタイマーは、宇宙空間から見える第三惑星の“世界観”にも似ている。いうまでもなくそれは2019年春夏メンズプレコレクションのテーマ「宇宙/ギャラクシー」の反映そのものなのである。
本数限定で発売されるスペシャルエディションは、さらに特別さが普通ではない。驚いたことに、文字盤中央のメゾン名のフォントも宇宙イメージに変更してしまっている。並行する緯線と湾曲する経線を引いた半球の図は、もはや地球ではなく銀河系の座標図のようにすら映る。ケースバックも「LV」のイニシャルに、土星の環のような環帯をたすき掛けにした、ユーモアあふれる仕上がりである。定評ある定番と、歴史のいっときだけ登場するのだろう生粋のリミテッド。選ぶのに迷うこと、必至である。

  • エスカル オトマティック タイムゾーン

    ●自動巻き、ステンレス・スチール、自社時計工房“ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトン”製ムーブメント、24カ国のタイムゾーン表示機能、パワーリザーブ42時間、ケース径39mm、シースルーバック、アリゲーター革ストラップ、50m防水。¥955,800(税込)

  • エスカル オトマティックタイムゾーン スペースクラフト

    ●自動巻き、ステンレス・スチール+ブラックPVD、24カ国のタイムゾーン表示機能、パワーリザーブ42時間、ケースバックにLIMITED EDITIONの記載、限定パッケージ、アリゲーター革ストラップ(仕様変更あり)、50m防水。¥1,236,000(予定価格) ※2月発売予定

●ルイ・ヴィトン クライアントサービス TEL:0120-00-1854

旅が似合う世界時計は彩りで選ぶか、モノクロで行くか。

次号予告

ファッションについて 語るときに あの人の語ること。