相撲業界はいまだ炎上中ですが、徳之島の牛相撲「闘牛」も燃えています。

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    相撲業界はいまだ炎上中ですが、徳之島の牛相撲「闘牛」も燃えています。

    世界遺産に登録された途端、イッキに増えるのが観光客。登録される前に行っときゃよかった……と思うことってありませんか? いま日本政府は「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」を世界自然遺産登録に向けてユネスコに申請中です。晴れて認定されれば今夏に登録ですが、その前に、ぜひ訪れてほしい場所が鹿児島県・徳之島。高い出生率を誇る島として聞いたことがある方もいるかもしれません。(島で唯一の空港の愛称も「徳之島子宝空港」といいます)。この徳之島の男たちが夢中になっているのが闘牛。日本の闘牛文化は、沖縄や愛媛にもありますが、この徳之島の闘牛の戦いは特に激しいといわれています。そんな闘牛に人生を捧げる徳之島の闘牛ファイターのドキュメンタリームービーが、Pen Magazine Internationalで公開されました。


    作品は、大会に向けてトレーニングを行う牛主のストーリーから始まります。闘牛の試合はボクシングのように階級別になっていて、いわゆるヘビー級にあたる最重量級では、体重が1トン超える牛もいます。軽自動車の車重が約750kですから、それよりも大きい牛同士がぶつかるその勝負の迫力は推して知るべし。また、強い牛は、なんと1頭1千万以上で取引きされることもあるとか。牛のエンブレムをつけたランボルギーニの中古車を買うのと、さほど変わらないスケールですね。いや、その後の飼料代や手間を考えると、ランボルギーニどころの話ではありません。つまり、この島の闘牛ファイターたちは、それだけ闘牛に人生を賭けているのです。


    撮影が行われた舞台は、島の南側にある闘牛場「なくさみ館」。ここは徳之島における闘牛の聖地とされている場所で、年に何度か大きなタイトルマッチが行われます。会場は島の老若男女で満員御礼。試合が始まると、観客からは「おらぁ、もっといかんかーい!」という怒声のような声援が飛び交います。勝敗のルールは単純明快で、逃げれば負け。早ければ数秒、長ければ1時間近くも戦うこともあります。ともあれ、この凄まじい牛の戦いを、いちど観戦あれ。日本はいま相撲業界の炎上で盛り上がっていますが、それより徳之島の牛相撲「闘牛」に燃えましょう。