まだまだ興奮冷めやらぬ三国志旋風、東京に次ぎ10月1日から九州で特別展...

まだまだ興奮冷めやらぬ三国志旋風、東京に次ぎ10月1日から九州で特別展が開幕します。

文:Pen編集部

まだまだ興奮冷めやらぬ三国志旋風、東京に次ぎ10月1日から九州で特別展が開幕します。

三国志展のキーヴィジュアルにもなっている、甲冑を纏った「関羽像(かんうぞう)」。高さ172㎝で迫力がある。青銅製で15~16世紀の明時代の作。新郷市博物館蔵

三国志研究史上最大の成果で、海外初出品となる河南省の曹操高陵出土品や、呉の皇族クラスの墓と目される上坊一号墓(じょうぼういちごうぼ)の出土品など、最新の発掘成果から実現した日中文化交流協定締結40周年を記念した特別展『三国志』。7月9日から東京国立博物館で展覧が始まり、「リアル三国志」を合言葉に、多くの来場者を魅了しましたが、10月1日からはいよいよ九州国立博物館で三国志展が開幕します。今回の大展覧会は、"実在した三国志"をテーマにし、大きな話題を集めています。というのも、三国志の時代は乱世のため「語り多く、物少なし」と言われるように、考古学的な文物がきわめて少なく、展覧会は難しいと言われてきたからです。しかし世紀の大発見である曹操高陵や、曹操の一族で「我が家の千里の駒」と称された曹休の墓、呉の皇族クラスの墓である上坊一号墓の発掘などによって、謎多き三国志の世界がようやく姿を現しました。事前調査には日中の専門家が約1年の歳月を費やし、これらの文物を精選。三国志の時代の政治、経済、軍事、文化、生活、宗教など、さまざまな分野を多角的に再現した、これまでに類を見ない展覧会となっています。

まだまだ興奮冷めやらぬ三国志旋風、東京に次ぎ10月1日から九州で特別展が開幕します。

西高穴2号墓を曹操高陵とする最大の論拠である、石牌「魏武王常所用挌虎大戟(「ぎのぶおうつねにもちいるところのかくこだいげき)」。「魏の武王が常に用いる所の虎と挌(たた)かった大戟」という表現は、後漢の光武帝の遺物が「常に御(ぎょ)する所(常所御)」と記録されたことに等しく、戟のタグとして申し分ない。石牌「魏武王常所用挌虎大戟」河南省文物考古研究院蔵

本展の目玉は、中国国外へ初の出品となる出土品の数々で、なかでも曹操の墓であることを決定づけた「魏武王常所用挌虎大戟(ぎのぶおうつねにもちいるところのかくこだいげき)」と彫られた石牌です。ファン必見のお宝として、特に注目度の高い出土品と言えます。他にも曹休の墓から出土した印章も見逃せません。曹休は曹鼎(そうてい)の孫にあたり、父を早くに亡くしたため曹丕(そうひ)や曹植とともに曹操の下で育てられ、曹丕の代には宗室を代表する将軍となった人物。ファンには呉の武将の周魴(しゅうほう)に騙されて大敗を喫し、そのショックから死んでしまった無念の将軍として認識されているかもしれません。展示される印章には「曹休」の名が刻まれていますが、三国志の時代の人物の名前が刻まれた印章は、現在のところこの一点しか出土しておらず、きわめて貴重なものです。また実用的な出土品にもご注目を。後漢時代の墓は、豪華な副葬品を納めた「厚葬」で知られていますが、曹操の父の曹嵩(そうすう)などは、玉片を銀の糸でつないだ「銀縷玉衣(ぎんるぎょくい)」で遺体が覆われ、手には玉でつくった「玉豚(ぎょくとん)」を握って葬られていました。しかし曹操は、こうした「厚葬」は民の負担を増すばかりだとして、「薄葬」を奨励した人物として知られています。今回の曹操高陵出土の展示品からも、そうした命令が守られていたことがわかります。他にも甲冑を纏った「関羽像」や、世界一短い三国志といわれた「晋平呉天下大平(しんごをたいらげてんかたいへい)」と刻まれた磚(せん)、バックルとして用いられた「金製獣文帯金具(きんせいじゅうもんおびかなぐ)」など、1800年前をリアルに感じさせる文物を展示。観る者を三国志の世界へと誘います。

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縦長の書体で「曹休(そうきゅう)」と彫られた青銅製の印。三国時代の魏の武将の名が彫られた印は珍しい。河南省洛陽市の曹休墓から出土。2.5×2.5×2㎝。「曹休印」 洛陽市文物考古研究院蔵

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魏の曹操の祖父・曹騰(そうとう)をはじめ後漢の曹氏一族の墓群から出土した「玉豚(ぎょくとん)」。玉豚は高貴な人物の埋葬に際し、その手に握らせたもの。曹氏一族が後漢王朝のもと、栄達を極めたことを示す手がかりとなった。「玉豚」亳州市博物館蔵

さまざまな出土品からリアルな三国志の世界を体感した後は、エンターテイメントとして楽しめる三国志にも注目してみましょう。日本では江戸時代に『三国志演義』が輸入翻訳されてから、何度もブームが繰り返されてきました。本展では、そうした昭和の三国志ブームのきっかけとなった2大エンターテインメントであるNHKの『人形劇  三国志』の人形と、横山光輝の漫画『三国志』の原画も同時展示されています。1982年10月から、およそ1年半をかけてNHKで放送された『人形劇 三国志』は、人形制作を川本喜八郎が担当し、脚本が小川英と田波靖男。また音楽は細野晴臣という錚々たるメンバーで、それまで子ども向けだった人形劇を大人も楽しめる大河人形劇ドラマとして昇華させた名作です。また、横山光輝は『鉄人28号』や『ジャイアントロボ』『仮面の忍者 赤影』『バビル2世』『魔法使いサリー』など、昭和の少年少女なら知らない人はない名作を生み出した漫画家。『三国志』は横山が初めて本格的に取り組んだ長編歴史マンガとしても知られています。本展では、NHK『人形劇 三国志』で実際に使われた曹操、劉備、孫権、諸葛亮、献帝、曹丕、曹植、甘寧(かんねい)、孟獲(もうかく)の9体の人形が展示されます。曹操の息子の曹丕や、南蛮王の孟獲といった渋いキャラクターのチョイスは、ファン心をくすぐる展示と言えます。

まだまだ興奮冷めやらぬ三国志旋風、東京に次ぎ10月1日から九州で特別展が開幕します。

NHK『人形劇 三国志』で実際に使われた、お馴染みの曹操人形も展示。飯田市川本喜八郎人形美術館蔵 ©有限会社川本プロダクション 撮影:田村 實

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こちらは人気の高い劉備人形。飯田市川本喜八郎人形美術館蔵 ©有限会社川本プロダクション 撮影:田村 實

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もちろん呉の英雄である孫権人形も展示されます。飯田市川本喜八郎人形美術館蔵 ©有限会社川本プロダクション 撮影:田村 實

東京の次は、いよいよ九州へ三国志展が上陸します。10月1日から2020年1月5日まで九州国立博物館で開催されますが、まだまだ三国志旋風は続きそうです。

日中文化交流協定締結40周年記念
特別展『三国志』

開催期間:2019年10月1日(火)〜2020年1月5日(日)

開催場所:九州国立博物館3階 特別展示室

福岡県太宰府市石坂4-7-2(太宰府天満宮横)

開館時間:9時30分〜17時(日・火~木) 9時30分~20時(金・土)

休館:月曜日、10/15、11/5、12/23~12/31(※10/14、11/4は開館)

入場料:一般¥1,600(税込)

www.kyuhaku.jp


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