空から捉えた、沖縄の魅力を語る。『Be.Okinawa つぎなる旅先、沖縄へ』 写真家・佐藤健寿さんトークショーを開催しました。

  • 文:Pen+編集部

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二子玉川蔦屋家電で行われたイベントの様子。

沖縄県のブランドプロジェクト「Be. Okinawa」の集大成として、1冊にわたり沖縄の魅力を特集した『Pen+』。特設サイトで行われた一般投票をもとに、今読者が見たい沖縄の美しいスポットを写真家・佐藤健寿さんがドローンで撮影。2020年12月19日二子玉川 蔦屋家電で、そのお披露目となるトークショーが開催されました。

イベント会場には抽選で選ばれた20名が来場。感染対策に万全を期すため、マスク着用を義務づけ、ソーシャルディスタンスを設けた座席でイベントにのぞみました。また、当日はYouTubeでライブ配信も行われ、自宅にいながらイベントの様子や公開されたドローン映像を視聴するなどコロナ禍での新しい取り組みもみられました。


YouTubeのライブ配信は、イベント終了後も視聴可能。制限された会場の参加人数の中、160名を超える人がライブ配信に参加しました。

沖縄の受け継がれてきた価値を、再発見する

「Be. Okinawa」の「Be」とは、「そこにある、存在する」という意味。旅する人が沖縄の風景に溶け込み、そこに暮らす人々と交流し、心を通わせることを表現しています。

イベントでははじめに、これまで歩んできた「Be.Okinawa」プロジェクトの概要や経緯についての紹介が行われ、過去の広告ビジュアルやWeb動画など様々なプロモーションについて解説がされました。

「Be. Okinawa」とは沖縄県が海外に向けて沖縄ブランドの浸透を図るために、2013年からスタートした観光ブランド。県内での消費が期待される外国人観光客が沖縄に求めるもの、そして県民が世界に向けて発信したい沖縄の魅力の2点を軸に、プロジェクトが始まりました。コンセプトは「美しい自然とあたたかい人たちに囲まれて、本来の自分を取り戻せる島」。そのイメージが表現された広告ビジュアルと動画がスクリーンに映し出されます。

過去に制作された広告ビジュアル。2017年からは日本国内に向けた施策が本格的にスタートした。こちらは2017年のポスター。

2018年のポスター。

2019年のポスター。

2020年のポスター。

コロナ禍となる今年度は、原点回帰として「想いをはせる」というメッセージが掲げられ、自宅で楽しめるデジタルキャンペーンやPen Online内の特設サイト「Share Your Okinawa」も立ち上がりました。

会場では、今年度に制作された2本のムービー「あなたの居場所が、ここにはある」を公開。沖縄出身の歌手キヨサクさんが歌う『南の島へ行こう』に乗せて、沖縄の美しい風景とおばぁの優しい笑顔、そして沖縄の思い出に浸る都会の女性による視点で描かれた映像が流れ、会場はしばし優しい空気に包まれました。


「Be. Okinawa」でこれまで発表された映像作品は、YouTube公式チャンネルでも視聴可能。佐藤さんの撮りおろした各スポットごとのドローン映像作品も公開されています。

特設サイト「Share Your Okinawa」 https://www.pen-online.jp/special/shareyourokinawa/

空から見えてくる、沖縄の新たな一面

写真家の佐藤健寿さん。何度も訪れたことのある沖縄は佐藤さんの視点から見ても、魅力溢れる島だと冒頭で紹介。この撮影を通して、新たな発見もあったと語ります。

その後、実際に現地でドローン撮影にのぞんだ写真家の佐藤健寿さんが登場。今回のキャンペーンでは、特設サイト「Share Your Okinawa」で抽選を行い、「みんなが見たい空からの沖縄」と題して4つのスポットが選ばれました。

選ばれたスポットは「ピナイサーラの滝」「水納島」「慶佐次湾のヒルギ林」そして「古宇利大橋」。ドローンで上空から捉えたシーンや地上で撮影された映像とともに、それぞれ撮影の舞台裏が語られました。


ドローンの撮影は地上で撮影したものに比べ圧倒的なパワーがあると話す佐藤さん。地上の何気ない風景や人の動きでさえも、自然と人間の生態系を知るきっかけになるそう。

今回の動画では編集も佐藤さんが担当。沖縄県出身のアーティスト、新垣睦美さんの音楽を起用した点にもこだわりがあったそう。

「当初から沖縄の伝統的な民謡を起用したいと思っていました。ただ、古典的なものではなくコンテンポラリーなサウンドで、僕なりの視点で沖縄を捉えた映像ともマッチするものをと考え、新垣さんの楽曲にたどり着きました」

世界120カ国以上を巡ってきた佐藤さんですが、沖縄は何度訪れても発見がある島なのだと印象深げに撮影を回想。

「普段は祭や史跡など文化的な視点で撮影地を選びますが、今回は投票ということで、海や滝、マングローブ、そして人工物である橋などあまり自分の選択肢にはない場所での撮影は非常に面白かったです。難しい部分もありましたが、新しいアプローチは新鮮でしたね」

特に大変な撮影だったと語る「ピナイサーラの滝」。撮影そのものよりもそこに行き着くまでの道中に苦戦したと語り、撮影中の苦労話に会場中が笑いに包まれました。

幻想的な沖縄の風景と力強くも繊細な自然が表現された映像に、会場の観客は釘づけに。イベント最後には質疑応答の時間も設けられ、さまざまな質問が投げかけられました。佐藤さんがこれまで被写体として数多く撮影してきた「祭」についても触れ、沖縄の独特な文化がいかに形成され、継承されてきたのか文化的な視点でも解説してくれました。

上空からいつもの景色を捉えることで、壮大な自然の魅力やいつも見ている姿とはまた違った一面も見えてくる。なかなか旅にいけない昨今、そんな風に改めて沖縄の魅力を再発見できるイベントでした。


ドローン撮影地の詳しい情報や佐藤さんのインタビューは「Pen+(ペン・プラス)」に掲載。一冊丸ごと沖縄の魅力が詰まった雑誌を手に、沖縄へ思いをはせるのもいい。