“文房具愛”が止まらない、HIPHOPアーティスト・KREVAがオススメするこだわりの逸品とは?

  • 写真:宇田川 淳
  • 文:帆足泰子(OrangH)

Share:

KREVA  HIPHOPアーティスト●1976年、神奈川県生まれ。KICK THE CAN CREWの活動を経て、2004年からソロ活動を開始。音楽プロデ ューサーとしても活躍する。ニューシングル「素敵な時を重ねましょう feat. SONOMI」が発売中。11/6公開映画『461個のおべんとう』に出演予定。

Pen 2020年8月1日号『愛用品と、ともに。』特集に登場しているHIPHOPアーティストのKREVAさん。愛用の筆記具ペんてるの「プラマン40周年限定色」について熱く語っているが、実はKREVAさん、文房具には並々ならぬこだわりがあるそうで、インタビューでは「プラマン」以外にもさまざまな文房具の名前が登場していた。KREVA流の文房具選びのルールとは? 色に対する考え方は? そして、お薦めの文房具とは?誌面では収められなかったKREVAさんの想いを紹介したい。

愛用の「プラマン」バーガンディとターコイズブルーの2色のインクで新曲のタイトルを綴る。

普段から時間があれば文房具店に足を運ぶことが多いと言うKREVAさん。店の隅から隅までじっくりと見て回り、キングジムの「フラッティ」バッグインバッグを見つけた時は、まさに探し求めていたものとの運命の出合いを感じたとか。

「自分は黒い服を着ることが多いんです。服だけでなく鞄や靴なども黒が多い。だから黒い鞄の中に黒いバッグインバッグを入れると、もうそこはブラックホール(笑)!  カバンの中ですぐに見つけられないことがもどかしくて、バッグインバッグは明るい色のほうがいいだろうな、とずっと思っていたんですね。『フラッティ』を見つけた時はまさにこれだ!って感じました」

スリムで軽量、マチがあるのにかさばらない。マグネット製の留め具が使いやすく、中身がわかる透明ポケットなのもいい。しかも爽やかなミントグリーン。この色ならすぐに見つけることができる。まさにKREVAさんの思いに応えるバッグだった。ペンやノートの他に仕事でもらった資料など、きちんとしまって持ち帰りたいものをこれに入れるようにしているそう。

「楽器でも洋服でも、この場面でこう使いたいというイメージが具体的に湧くものしか買わない。ただ“いいな”という感覚だけでは絶対買いませんね。それが自分の生き方、決まり。『フラッティ』はリュックの中に入れた時のイメージが見えたんです。いろいろなサイズがあって、どれもすごく気になったけど全部を大人買いするなんてことは絶対しない。我慢!たくさんの色や形の中から本当に自分が欲しいひとつを選ぶのが好きですね」

「フラッティ」の中はノートやペンが定位置にきちんと収納されている。

「フラッティ」の中には筆記具の他にノート、そして蛍光カラーのポストイットが整然と入れられている。この蛍光カラーにもKREVA流のこだわりがあった。

「普段の服の色が黒に傾いていったのは、衣装で派手な服を着ることが多いから。昔は蛍光オレンジのTシャツとか派手な色の服も着ていたけど、いまはちょっと難しいかな。だけど小物だったら蛍光色も気軽に試せるよね。特に文房具。たとえば自分は最近、蛍光色のポストイットを使っています。これに書いて貼っておけば、忘れんじゃないぞって気になるからね。ただね、黄色だけはちょっと不満。もう少しポップな蛍光イエローを発売してほしい(笑)」

服や鞄は黒系が多いので、小物には蛍光カラーをセレクト。そのポップさを楽しんでいる。

KREVAさんが文房具へのこだわりを自覚し始めたのは約5年前。子どもが小学校に入学するタイミングだったとか。鉛筆や定規など文房具を買い揃えている時「そういえば文房具店に行くの、昔から好きだったなぁ」と気づいたのだとか。

「いまは都合さえつけば週に1回は文房具店に行きますね。俺が店に行くペースが店の新製品入荷ペースを超えちゃって、いつ行っても同じ品揃えって時もあるんですけどね(笑)」

そんなKREVAさんがインタビュー中に「これは使ってみてほしい!」と、スタッフに熱く語ってくれた筆記具がある。

「子ども用に買ったんですけど、その使いやすさに後で自分用にも買ったペンがあって…。コクヨの『鉛筆シャープ』って知ってます? 太芯のシャープペンシルなんだけど、芯の太さが0.7、0.9、1.3mmの3タイプで、まさに鉛筆みたいななめらかな書き心地。鉛筆同様に六角軸だから安定して握れるし、もうこれ、ほぼ鉛筆!力を入れて書いても折れないし、書くリズムが止まらないのがいい。実際に手にとって使い心地がよい筆記具じゃないと嫌だからこれはお薦め。もう一つ、ぜひ試してほしいのはゼブラの油性マーカー『マッキーケア』。マーカーながら極細と超極細で文字が書ける両用タイプ。通常の『マッキー』は俺も歌詞を書く時によく使っているんだけど、この細字タイプは演出家でパフォーマーの小林賢太郎さんに薦められたんですよ。超極細を使ってみたら、正直驚いた。本当にすごい! 皆さんも使ってみたら油性マーカーでこんなに細い字が書けるんだってびっくりしますよ。黒地に金色の文字デザインも渋い。この感動はぜひ味わってほしいですね」