下北沢の外れで味わう欧風カレー屋「YOUNG」。その味とセンスに脱帽です。

    Share:

    長崎県「HASAMI」のプレート、スプーン代わりに朝鮮のスッカラを用いるなど、食器類のセレクトにもセンスを感じます。

    昔ながらの居酒屋や小劇場、ライブハウスには活気が残り、ユニークな小さい書店やレコード店が続々と加わっている下北沢。老若男女で賑わいつつも趣は昔と大きくは変わらず、落ち着いた雰囲気をもち続けています。さまざまな店が点在し、多くの人が行き交うのが北口、南口周辺。その南口の真逆にあたる西口を出ると雰囲気はがらりと変わり、ベッドタウンな住宅地が広がります。その一角、駅から歩いて5分のところに、昨年末オープンしたばかりのカレー屋「YOUNG」は位置しています。

    オーナーの梶原英徳さんはサラリーマン時代に「City Boy Curry」という名義でカレーのケータリングをはじめ、各所で人気を博しました。それと同時に夜だけオープンしている西荻窪の喫茶店「WANDERUNG」に参加しないか、とご友人に声を掛けられオーナーの一人として参加。そこでカレーをメニューに入れたところ好評を得て、実店舗を持ちたいと思うようになったといいます。

    多くの人を魅了してきたカレーは、フォン・ド・ヴォーから時間をかけ、ていねいにつくっているという濃厚な欧風カレーです。口に入った瞬間はフルーティで甘く、後からわずかな辛みがやってくるやさしい味。メニューは大きな肉がインパクトのあるビーフ(¥1,200)をはじめ、チキン(¥950)、ポーク(¥1,000)、野菜(¥1,100)、ドライの5種(¥980)。どれも捨て難いという方にはドライとチキンのコンボ(¥1,250)がおすすめです。また、独自の炊き方をしているという、舌の上ではらりと崩れるライスとの絶妙なマッチングはとても上品。この上品さは付け合わせにも表れていて、自家製の福神漬けも爽やかな甘みがあるので、濃厚なカレーにぴったりです。

    ほかに、“喫茶店”をモチーフにした内装も魅力的です。「古い喫茶店のもつ風合いを無理につくるのではなく、この店が20年後にいい雰囲気になるような内装を意識しました」。
    古きよき物を守り、時間の経過を楽しみながら進化もしていく、下北沢の空気感に合ったカレー屋の誕生です。(写真・文 大隅祐輔)

    内装を手がけたのは学芸大学の「FOOD&COMPANY」も担当したSTUDIO DOUGHNUTS。

    川越の自家焙煎コーヒー店「Tango」の豆で淹れたコーヒー。¥450

    YOUNG

    世田谷区代田5-1-16 1F
    TEL : 050-1454-9173
    営 : ランチ12:00~15:00、ディナー18時~21時(20時30分L.O.)
    休:火、第3日、月
    curry-young.tumblr.com/