喉の調子を保つために、 古くて新しい“養生系食品”の人気が上昇中。【コロナと闘う世界の都市から】

  • 文:原口純子

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BEIJING北京

喉の調子を保つために、 古くて新しい“養生系食品”の人気が上昇中。【コロナと闘う世界の都市から】

文:原口純子

ショップの店頭にはさまざまな養生食品が並ぶ。今年はより使いやすく、洒落たパッケージのものが目立つ。

新型コロナウイルスの新規感染者ゼロという状態がすでに3週間を超えた北京(8月31日現在)。街の緊張感もだいぶ緩み、観光地や商業施設も賑わい始めた。とはいえ、北京の秋は気温が下がり、乾燥もひどくなって、喉の調子を崩しやすくなる季節。その対策に昔からさまざまな飲食物が伝えられているが、今年はより使いやすく、しかもお洒落なパッケージに仕上げられたものが店頭に目立つ。

たとえば、日本でも知られる「羅漢果(らかんか)」。これまで北京では薬局や食材市場で実を丸ごと買い、自分で割って服用するしかなかったが、いまでは「羅漢果茶」として使いやすいティーバッグスタイルになり、オフィスなどでも気軽に飲めるようになった。ショッピングモールなどにはデザインに凝ったパッケージの食品を扱う専門ショップも登場し、呼吸系を守る養生食品を取り入れるのが秋のトレンドになりつつある。

お薦めは「八仙果」。呼吸系を守るといわれる生薬「陳皮」「甘草」「茯苓」に白砂糖などを練り込んだ伝統食品で、カップに2つほど入れて湯で溶かして飲むと咳を静めると言われている。これまでは薄暗い食材市場の片隅で売られていたものが、いまではモダンなパッケージに入ったものをショップで買えるのだ。養生系食品の進化を味わいつつ、多くの人が自衛策として取り入れている。

「八仙果」のパッケージ。

呼吸系を守る生薬に砂糖などが練りこまれた「八仙果」。