これぞホテル滞在の醍醐味! ルームサービスを味わい尽くす。

  • 写真:安達紗希子(CROSSOVER)
  • 編集&文:小松めぐみ

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 一流ホテルの味を、人目を気にせず心ゆくまで満喫できるルームサービス。絶対に外せない名物から朝・昼・夕・夜食まで、気になるメニューをセレクトしました。

<名物>

気がねなく、誕生にまつわる逸話も噛みしめて。──帝国ホテル 東京

「帝国ホテルオリジナル シャリアピンステーキ」¥7,730/税込

「アフタヌーンティー」¥3,740/税込

1934(昭和9)年に来日した際、歯痛に悩んでいたロシア人声楽家シャリアピンのために帝国ホテルが考案したのが、シャリアピンステーキ。叩いて薄くした牛ランプ肉をすりおろした玉ネギに漬け込み、やわらかくした。玉ネギの甘みと肉の旨味がたまらない。一方、好みの紅茶2種が選べるアフタヌーンティーのスコーンや端正なスイーツは、それぞれベーカリー部門やペストリー部門が手がける正統派。ラウンジで注文するには女性客の目が気になるという人は、自室で優雅な時間をお楽しみあれ。

東京都千代田区内幸町1-1-1
TEL:03-3504-1111
www.imperialhotel.co.jp


外国人の総支配人が考案した、“日本の味”──ザ・キャピトルホテル 東急

「ORIGAMI」の「排骨拉麺」¥3,289/税込

「カスタードプリン」¥1,644/税込

ジューシーな揚げたてのロースカツをのせた「排骨拉麺(パーコーメン)」は、旧・東京ヒルトンホテル時代に総支配人を務めた外国人が「日本で人気の料理を発信しよう」と発案して誕生した、伝統ある逸品。カツは衣のさっくりした食感が持続するよう、ルームサービスでは別皿で提供してもらうことも可。鶏と豚のガラからとったブイヨンのスープは、仕上げに高温の香味油を加えるため風味が増し、冷めにくくなるそう。デザートには、バニラの風味が豊かな硬焼きの「カスタードプリン」を。ルームサービス限定のスイーツだ。

東京都千代田区永田町 2-10-3
TEL:03-3503-0109
www.capitolhoteltokyu.com


誰もが知るナポリタンと、歴史の薫るデザート──ホテルニューグランド

「スパゲッティ ナポリタン」¥2,420/税込

「クープニューグランド」¥1,331/税込

このホテルの二代目総料理長が考案した「スパゲッティ ナポリタン」は、1日平均100食売れるという人気メニュー。自家製トマトソースと厚切りロースハム、玉ネギ、マッシュルームの旨味が渾然一体となり、もちっとしたスパゲッティに絡む名物だ。バターのリッチな香りもたまらない。食後には、「クープニューグランド」を。第二次世界大戦後の米軍進駐時代、米軍将校夫人を喜ばせようとつくられた品で、現在はルームサービス限定。とろりとしたチョコレートソースの下に、洋梨のコンポートとバニラアイスが潜む。

神奈川県横浜市中区山下町10番地
TEL:045-681-1841  
www.hotel-newgrand.co.jp


名店の技が光る天ダネに、大満足!──山の上ホテル

「てんぷらと和食 山の上」の「天丼」¥4,356/税込

カラリと揚がった天ぷらに関東風の甘辛いタレをかけた「天丼」は、昭和の文豪にも愛された、「てんぷらと和食 山の上」のランチタイムの名物。夕食時にはルームサービスでのみ、店舗と同じクオリティで提供されている。海老2尾とキス、伏見唐辛子、小海老のかき揚げがのった天丼はボリュームたっぷり。シジミの赤出汁とどうぞ。

東京都千代田区神田駿河台1-1
TEL:03-3293-2311
www.yamanoue-hotel.co.jp


ふんわり優しい甘さで、目覚めから幸せに。──オークラ東京

「伝統のフレンチトースト」¥2,904/税込

1960年代から変わらぬレシピを守り続ける、「伝統のフレンチトースト」は新装後のホテルでも大人気の朝食メニュー。ふんわりとしたなめらかな食感は、フレンチトースト専用のきめ細かなパンを24時間アパレイユ(卵液)に浸し、澄ましバターで焼いてからオーブンで仕上げるがゆえ。ルームサービスでは季節の果物も付く。

東京都港区虎ノ門2-10-4
TEL:03-3582-0111
https://theokuratokyo.jp


<朝食>

栄養バランスにも配慮、ヘルシーな朝を。──パーク ハイアット 東京

「ヘルシーバランス ブレックファースト」¥6,325/税込

自家製グラノラや黒パン、チーズ「ブリア・サヴァラン」とフレッシュフルーツのサラダ、豆乳で炊いたキヌアのお粥とドライフルーツなど、たんぱく質とミネラルのバランスを重視したモダンな洋朝食。スムージーまたはフレッシュジュース、ハーブティーとともに健康的な朝を。

東京都新宿区西新宿3-7-1-2
TEL:03-5322-1234
http://tokyo.park.hyatt.com


中華粥で胃を温め、本格派点心に微笑む。──シャングリ・ラ ホテル 東京

「オリエンタルブレックファスト」¥3,795/税込

朝食で中華が楽しめるのは、香港に本拠地を置くホテルだからこそ。ポタージュのようになめらかな中華粥はレストランの朝食でも提供されるが、焼きそばや点心、ピータンなどはルームサービス限定。常時4種を用意するフレッシュジュースは、メロンが一番人気だ。

東京都千代田区丸の内1-8-3 丸の内トラストタワー本館
TEL:03-6739-7888
www.shangri-la.com/jp/tokyo/shangrila/

<昼食>

思い切りかぶりつきたい、国産牛のパテ──パレスホテル東京

「グランド キッチン」の「オリジナル ビーフバーガー」¥3,146/税込

国産牛100%の挽き肉をしっかりこね上げた、大きなパテの旨味が印象的。おいしさの秘訣は、挽き肉の脂が溶けないように冷やしながらこねることだとか。自家製バンズの間には半熟フライドエッグやチェダーチーズ、ベーコンなども。窓外の緑に癒やされながら頬張りたい。

東京都千代田区丸の内1-1-1
TEL:03-3211-5211
www.palacehoteltokyo.com


ロースかつとカレーは、やっぱり相性よし!──グランド ハイアット 東京

「国産豚のカツカレーライス サラダ添え」¥4,048/税込

揚げたてのロースかつをトッピングしたカレーライスは、ルームサービス限定の人気メニュー。あっさりした肉質の沖縄産キビまる豚に粗挽き生パン粉を付けて揚げており、脂の甘みが魅力的。さまざまなスパイスが調和したカレーはキレがよく、両者の相乗効果で食が進む。

東京都港区六本木6-10-3
TEL:03-4333-1234
http://tokyo.grand.hyatt.jp

<夕食>

和牛とタレ、海苔にコメの見事な四重奏。──ANAインターコンチネンタルホテル東京

日本料理「雲海」の「黒毛和牛重箱」¥7,706/税込

サッと炙って香味醤油ダレで味つけした“焼きしゃぶ”感覚の肉は、A4ランク以上の黒毛和牛の赤身の希少部位、芯々を130ℊ使う。富山産コシヒカリの上に敷く海苔の香りと和牛の肉質、タレと米の甘みとがマッチ。雲海では昼限定だが、ルームサービスでは夕食時も注文可。

東京都港区赤坂1-12-33
TEL:03-3505-1111
https://anaintercontinental-tokyo.jp


焼豚とプリプリ海老が活きる、極上の炒飯。──ザ・ペニンシュラ東京

「ヘイフンテラス」の「海老入り五目チャーハン」¥4,048/税込

その日に焼かれた、やわらかな焼豚の香ばしさが活きた炒飯。海老は湯通しした後に揚げてから炒めるため、身が締まってプリプリ。ジャスミンライスは口当たりがパラパラで喉越しはしっとりするように、卵とレタスは食感が口中で邪魔しないように心がけてつくるそうだ。

東京都千代田区有楽町1-8-1
TEL:03-6270-2888
www.peninsula.com/tokyo

<夜食>

出汁香るうどんを、海老天3本が飾る。──ハイアット リージェンシー 東京

「海老天入り鍋焼うどん」¥3,146/税込

土鍋の蓋を開けると、穏やかな出汁の香りが鼻をくすぐり、具だくさんの稲庭うどんに心が躍る。海老天が別皿で供されるのは、厨房から部屋へ運ばれる間に衣がふやけないようにという配慮から。サクッと厚めの衣が甘みのある出汁と好相性。ルームサービス限定、夜食の定番だ。

東京都新宿区西新宿 2-7-2
TEL:03-3348-1234
www.tokyo.regency.hyatt.jp


醤油味のフカヒレが麺に絡む、贅沢な夜食。──ホテルニューオータニ東京

「フカヒレラーメン」¥4,356/税込

レストランでは十八穀米を練り込んだ麺を使うフカヒレラーメンだが、ルームサービスでは生中華麺で提供。フカヒレは香味野菜とともに鶏出汁で煮込んでからていねいにほぐすため、旨味豊かなスープとしっかり絡んで食べやすさ抜群。あっさりしていながら贅沢な、至福の一品。

東京都千代田区紀尾井町4-1
TEL:03-3265-1111
www.newotani.co.jp

こちらの記事は、2020年 03月01日号Pen「ひとり、籠る宿。」特集からの抜粋です