京都発のクラフトジン「季の美 」のブランドハウスで、新世代のクラフツマンシップを体感する。

  • 文:小長谷奈都子

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1階のバースペース「季の美の間」。建築のトータルデザインを手がけたのは、創業者の長男であるダグラス・角田・クロール。季の美のボトルデザインと同じく、黒と銅が基調とされている。

「季の美」は、英国と京都の伝統を融合させたクラフトジン。ジェニパーベリーの効いたロンドンドライスタイルに、玉露や柚子、山椒など日本ならではのボタニカルを加えた味わいで、2016年の発売以来、着実にファンを広げている。

その世界観を存分に体感できるブランドハウスが、京都の街中に誕生した。建物は、築100年以上という元材木商の歴史ある町家で、梁や土壁など当時の趣をできるだけ残しながら、ていねいにリノベーション。インテリアには、西陣織の老舗「細尾」のテキスタイルや唐紙の老舗「KIRA KARACHO」の壁紙など、随所に京都の職人技が見られる。

2階建ての店内は、5つの「間」に分かれる。1階の「お店の間」は、店舗限定商品やオリジナルグッズを販売するショップ。「季の美の間」はバースペースで、季の美の飲み比べセットや好きな季の美にトニック、ガーニッシュを選んで組み合わせるカスタムジンドリンクなどを用意。季の美で使われる6種のボタニカルでつくったディップソースで地元の肉や野菜をいただく軽食にも注目だ。「ジンパレス」は、19世紀のヴィクトリア朝時代のバーからヒントを得た会員制バー。クラシックな空間で、日本未発売の季の美や秘蔵の希少ウイスキー、60〜70年代のリキュールを使ったカクテルなど、スペシャルな一杯が用意される。

2階へ上がると「展示の間」。ジンの歴史や種類、季の美の原料や製造工程がわかりやすく展示してある。その奥の「混和の間」はセミナールーム。7月より、季の美に使われるボタニカルの原酒を味わうテイスティングセミナーが始まったところだ。今後は、季の美で使われるボタニカル以外の原酒でオリジナルジンをつくるブレンディングセミナーも予定されている。

京都発のクラフトジン・季の美の世界観を五感で楽しめるブランドハウスで、新世代のクラフトマンシップを体感しよう。

「季の美の間」のメニューのひとつ「季の美 ジンスリング」¥1,100(税込)。今後、京都のバーテンダーを呼んでオリジナルカクテルをつくってもらえるサービスや日本未発売のジンの提供も予定。

店の奥に位置する会員制バー「ジンパレス」では、美しく手入れされた日本庭園が眺めながら、エクスクルーシブなジンや、ヴィンテージカクテルが楽しめる。

2階の「展示の間」。オーダーしたドリンクを片手に見学することも可能だ。

外観にも風情が漂う。河原町二条の交差点からほど近いアクセスしやすいロケーション。

季の美ハウス The House of KI NO BI
京都市中京区河原町通二条上ル清水町358
TEL:075-3-0457
営業時間:12時〜21時(20時30分L.O.)
定休日:月
https://kyotodistillery.jp
※営業時間、定休日などは今後変更の可能性があります