新潟県胎内市が経営するワイナリーの果実の力が伝わる1本に、うれしい驚きです。

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    日本ワインで乾杯!We Love Japanese Wine!

    #17|
    鹿取みゆき・選&文
    尾鷲陽介・写真
    selection & text by Miyuki Katori
    main photograph by Yosuke Owashi

    アッサンブラージュルージュ2015

    1960年頃、地域おこしのために、地方行政や第3セクターによって各地にワイナリーが設立されました。しかしこうしたワイナリーの中には、気候風土を大切にしたワインづくりを謳いながら、ブドウが輸入ものだったり生食用の余り物だったり、さらには安易な企画ものに走ってしまったりと、掲げた理念とはほど遠いワインをつくり続けているところもありました。その後、地域活性化を目標に掲げたワイナリーの設立ラッシュはいったん治まったものの、日本ワインブームの影響か、また再燃しつつあります。

    正直に言えば、ワイナリーという箱だけができてしまい、中身が伴っていないところも存在しています。でも、地方行政の資金が入っているワイナリーの中にも、本腰を入れてワインづくりに取り組むところが増えているのは確かです。

    新潟県にある胎内高原ワイナリーは、胎内市(旧黒川村)が経営するワイナリーです。実は実際に足を運ぶまでは、一体どんなワインづくりをしているのだろうかと疑問を抱いていました。ところが、訪ねてびっくりです。胎内高原ワイナリーは、自分たちで育てたブドウのみでワインづくりをしているのです。話を聞くと「ものづくりは本場に倣え」という当時の村長の考えで、2003年に畑を開墾したそうです。

    ブドウ畑の大半は南西向きの急斜面に拓かれています。おまけに2008年からは、大胆なことに数を半分に減らしています。アッサンブラージュルージュはまだ荒削りなところもありますが、果実の力が伝わる凝縮感がちゃんとあります。少し空気を触れさせると濃密な木イチゴの香りが立ち上ってきます。ワイナリーでは、フレッシュさも大切にして仕上げているそうです。地道な「ワインづくり」「ものづくり」がどうあるべきなのかを、私に教えてくれたワインです。そんな胎内ワイナリーのスタッフのみなさんを、心より応援したいと思っています。

    新潟県胎内市が経営するワイナリーの果実の力が伝わる1本に、うれしい驚きです。
    ワイナリーは豪雪地帯で知られる新潟県北部の旧黒川村の山あいに位置。トップキュヴェは日本ワインコンクールで2年連続金賞を受賞するという快挙を成し遂げています。2008年から栽培と醸造を担当することになった佐藤彰彦さんを中心に、一にも二にもブドウをていねいに育てることを大切にしたワイナリーです。

    アッサンブラージュルージュ2015

    ワイナリー名/胎内高原ワイナリー
    ブドウ品種と産地/メルロ、ツヴァイゲルト(新潟県胎内市(旧黒川村))
    容量/750ml
    価格/¥1,944
    問い合わせ先/胎内市役所農林水産課
    TEL: 0254-43-6111
    www.gourmet-tainai.jp/wine


     

    プレゼント

    連載「日本ワインで乾杯!」では毎回、ご紹介するワインを1名の方にプレゼントします。 第17回「 アッサンブラージュルージュ2015」のご応募の締め切りは、2016年8月25日(木)まで。ふるってご応募ください。  ※当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。未成年者のご応募はできません。ご応募は日本在住の方に限ります。なお、伊豆諸島(大島・八丈島を除く)および小笠原村(小笠原諸島)への配送はできません。ご応募にあたっては、弊社メールマガジンへのご登録が必要です。

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