樽に負けない果実味と緊張感!甲州ワインのイメージが覆されます。

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    日本ワインで乾杯!We Love Japanese Wine!

    #07|
    鹿取みゆき・選&文
    尾鷲陽介・写真 
    selection & text by Miyuki Katori
    main photograph by Yosuke Owashi

    ソレイユ千野甲州2014

    私には、それまでに抱いていた日本ワインのイメージをまったく覆してくれたワインが数本あります。今回、ご紹介する「ソレイユ千野甲州」はそのひとつ。山梨市にある旭洋酒の鈴木剛さん・順子さん夫妻がつくったワインです。
    10数年前は、甲州ワインについてあまりよい印象を持っていませんでした。やや甘さがあって味わいがぼんやりしている。その割には後口に、えぐみや渋みが残る。そんな甲州ワインは正直あまりおいしいとは思えませんでした。 

    けれども、「ソレイユ千野甲州」を飲んだ時に、これが甲州ワインかと大きな驚きを感じました。ぐんぐんアピールしてくる、樽に負けない果実のエキス、だれずに引き締まった緊張感。本当に衝撃でした。
    この味わいを生んだ理由のひとつは、ブドウが育てられた場所です。甲府盆地の北東部の端、山あいの曲がりくねった細い道を上りきったあたりの標高600mの斜面に畑はあります。2002年、鈴木さん夫妻は独立して2人でワインづくりを始めようとした頃に、このブドウに出会いました。

    「初めて甲州ブドウをおいしいと感じましたね。このブドウなら、ぜひワインにしたいと思いました」。ブドウを栽培していたのは、鈴木さん夫妻の独立を後押ししてくれたブドウ栽培家。2人は、この方に頼んで、それまで生食用として出荷されていたブドウを分けてもらうことにしたのです。 

    そして出来上がったワインには、彼らがはっとするほどの揺るぎない酸と果実味がありました。私が抱いた緊張感はこの揺るぎない酸ゆえのものなのでしょう。以来、鈴木夫妻は毎年この甲州ブドウで「ソレイユ千野甲州」をつくっています。いまでも、甲州ワインのイメージを覆す1本であるのは間違いありません。

    樽に負けない果実味と緊張感!甲州ワインのイメージが覆されます。
    鈴木夫妻が目指すのは「究極の地ワインづくり」。「ワインは、高級ブランド品ではなく、土地に根ざしたブドウでつくる地酒のようなもの。土地の香りがする酒です」。日々ブドウと向き合い、ワインをつくる2人の言葉にはリアリティがあります。

    ソレイユ千野甲州2014

    ワイナリー名/旭洋酒
    ブドウ品種と産地/甲州(山梨県甲州市塩山千野)
    容量/720ml
    価格/¥3,024
    問い合わせ先/旭洋酒
    www5e.biglobe.ne.jp/~soleilwn

    プレゼント

    新連載「日本ワインで乾杯!」のスタートを記念して、毎回、ご紹介するワインを1名の方にプレゼントします。 第7回「ソレイユ千野甲州2014」のご応募の締め切りは、2016年3月24日(木)まで。ふるってご応募ください。  ※当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。未成年者のご応募はできません。ご応募は日本在住の方に限ります。なお、伊豆諸島(大島・八丈島を除く)および小笠原村(小笠原諸島)への配送はできません。ご応募にあたっては、弊社メールマガジンへのご登録が必要です。

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