暖かい部屋で開けたい、熟成した味わいが続くスパークリング

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    日本ワインで乾杯!We Love Japanese Wine!

    #01|
    鹿取みゆき・選&文
    尾鷲陽介・写真 
    selection & text by Miyuki Katori
    main photograph by Yosuke Owashi

    キザンスパークリング トラディショナルブリュット 

    こんにちは、鹿取みゆきです。仕事はワインや食が生まれる国内外の現場を訪ねて記事を書くこと。特に日本ワインについては、平均月に3回は ワイナリーと造り手たちのもとに出向きます。ワインは分析するものではなく、おいしく飲むためのもの。連載では、そんなモットーで、私が見つけた日本ワイ ンを月に2回ご紹介していきます。今夜の1杯に、日本ワインを選んでいただけたら、とても嬉しく思います。

    寒い日に、暖房がきいた部屋のなかで飲むワイ ン。何を思い浮かべますか? 私なら、乾燥して乾いた喉を潤してくれるスパークリングを選びます。一推しは、「キザンスパークリング トラディショナルブリュット」です。いまや日本のスパークリングワインといえどもその数は200種類近くにおよび、スタイルもさまざま。そんななか、このスパークリングはまったりした味わいをもち合わせたタイプ。飲みごたえも十分です。

    グラスに注ぐと、すぐにジャスミンティーやオレンジピールのような香りがふわっと立ち上り ます。口に含むと、きめ細やかでクリーミーな泡立ちがじつに心地よい! 広がる旨味と熟成した味わいは余韻まで長く続いていきます。存在感も抜群、なのに価格はスパークリングワインとしてはかなりお手頃です。

    この存在感は、原料ブドウに日本特有の甲州ブドウを使ったことによるものです。薄い藤色のブドウは、約1000年、この日本の地で栽培が続いてきたと言われています。この果皮から引き出された成分などが、他の成分と複雑に 溶け合って、深みのある味わいや、まったり感を醸し出しているのです。

    造り手は山梨県甲州市塩山にある機山洋酒工業の土屋幸三さん。
    「日常だからこそ、求められる品質がある」というのが彼の考えです。本場フランスのシャンパーニュと同じように、瓶内で発酵をさせてガスを封じ込める製法をとったのもそのためです。泡立ちの細やかさにはこうした背景があるのです。初リリースの2001年以来、価格はほとんど変わりません。

    暖かい部屋で開けたい、熟成した味わいが続くスパークリング
    甲州ブドウは、コーカサス地方に端を発し、シルクロードを経て日本に伝わったと言われています。その間、中国系の山ブドウと交配されたとも。このブドウで造られた甲州ワインは日本ワインの中で生産量が最も多く、その86%が山梨県で仕込まれています。

    キザンスパークリング トラディショナルブリュット 

    ワイナリー名/機山洋酒工業
    ブドウ品種と産地/甲州種100%(山梨県山梨市)
    容量/750ml
    価格/¥2,880(ワイナリー直売価格)
    問い合わせ先/機山洋酒工業 TEL: 0553-33-3024
    http://kizan.co.jp/

    プレゼント

    新連載「日本ワインで乾杯!」のスタートを記念して、毎回、ご紹介するワインを1名の方にプレゼントします。
    第1回「キザンスパークリング トラディショナルブリュット」のご応募の締め切りは、12月24日(木)まで。ふるってご応募ください。

    ※当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。未成年者のご応募はできません。ご応募は日本在住の方に限ります。なお、伊豆諸島(大島・八丈島を除く)および小笠原村(小笠原諸島)への配送はできません。ご応募にあたっては、弊社メールマガジンへのご登録が必要です。

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