進化し続けるウイスキー「ジャックダニエル」を、いま味わうべき理由とは?

  • 写真:山本雷太
  • 文:西田嘉孝

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会場となったのは、日本を代表するミクソロジストの1人である南雲 主于三が経営する、六本木のバー「ミクソロジー エクスペリエンス」。多くのメディア関係者が集ったセミナーでは、高層熟成庫の最上段で熟成させた樽だけを使用した「シングルバレル」(右)も振る舞われた。

麦や葡萄の色がつく醸造酒のビールやワインとは違い、蒸溜という工程を経たばかりの蒸留酒はすべてが無色透明のホワイトスピリッツ。それを麦わらや琥珀、あるいはルビーのように色づくブラウンスピリッツへと変えるには、木樽などによって長い年月をかけて熟成させなければなりません。いわば熟成という魔法がかかった魅惑の酒。そんなブラウンスピリッツの魅力を広くPRするとともに、新たな楽しみ方を提案しようという試みが、アサヒビール主催の「Asahi Brown Spirits Seminar 2017」です。
4月19日に開催された第1回セミナーのテーマは『ジャックダニエル』。世界で最も飲まれているウイスキーのひとつであり、アメリカで造られてはいますがバーボンではなく、生粋のテネシーウイスキーです。
ブラウン・フォーマン ビバレッジス ジャパンの奥村龍太郎さんがリードするセミナーでは、1866年にアメリカ合衆国初の政府公認蒸溜所となったジャックダニエルの歴史や、蒸溜したスピリッツをサトウカエデの木炭層で濾過する独自のチャコール・メローイング製法、樽へのこだわりなどが紹介されました。
その後は、定番の「ジャックダニエル」に加え、「ジャックダニエル テネシーハニー」や「ジェントルマンジャック」などをテイスティング。さらには、メイプルウッド樽での仕上げ熟成を行った「ジャックダニエル ゴールド」がミストスタイルで登場。こちらは、キャラメル・ポップコーンやクレームブリュレなどと合わせて提供され、“ジャックダニエル×スイーツ”という魅惑的な掛け算を見せてくれました。
長く飲み継がれてきた酒ながら、その楽しみ方にはまだ無限の広がりが感じられます。いわば自由な発想で楽しめるクリエイティブなウイスキー。バーや家庭で、ぜひ、「ジャックダニエル」の新たな楽しみ方を見つけてみてはいかがでしょうか。

定番の「ジャックダニエル」と比較しながら、蜂蜜やナッツのフレーバーがユニークな「ジャックダニエル テネシーハニー」、2度のチャコールメローを施した「ジェントルマンジャック」を試飲。テイスティングセッションでは、チャコールメローが行われる前後のスピリッツの飲み比べも。

最近では、一般のファンによるツイッターへの投稿から火がつき、「ジャックダニエル テネシーハニー」の売上げが飛躍的に伸びるという現象も。セミナーでは、世界のウイスキー市場における「ジャックダニエル」の位置づけや、好調な売上高の推移なども紹介された。

「ジャックダニエル ゴールド」のおすすめの飲み方は、クラッシュアイスを使用したミストスタイル(左)。右は、奥村さんと南雲さんが提案する、キャラメル・ポップコーン、クレームブリュレ、メイプルシロップがけのカマンベールチーズという、ベストマッチなおつまみ3選。

「Asahi Brown Spirits Seminar 2017」は、全4回の開催。5月18日には、クラフトバーボンの雄「ウッドフォードリザーブ」、6月8日にはコニャックの「カミュ」、6月22日にはスコッチのシングルモルトである「グレングラント」をテーマにしたセミナーが開催予定。

ジャック ダニエル
問い合わせ先/アサヒビール TEL:0120-111-121
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