脱肉食を助ける、プラントベースミートが急成長。

脱肉食を助ける、プラントベースミートが急成長。

文:稲石千奈美

味、食感、匂い、見た目……本物のハンバーガーに極限まで似せた、植物由来の代替肉を目指したインポッシブル。ブリオッシュバンズにミントや香菜を挟んだアジアンバーガーの味はリアルミートに劣らない。

巨大なハリケーンや広範囲の甚大な山火事などの自然災害に見舞われ、深刻な気候変動をリアルに体験しているアメリカ。パリ協定から離脱し環境政策の後退を続けるトランプ政権とは対照的に「気候変動は人為的なものだ」という人々の意識が高まっている。この意識変化に伴い注目されているのが肉や魚、乳製品など動物性タンパク質の代用食品であるプラントベースミート(植物由来の代替肉)だ。

ひとり当たり年間100kg近い肉を消費するアメリカでは、健康や動物愛護などが理由の菜食主義やヴィーガンが一部定着し、ベジバーガーやヴィーガン食品が珍しくなくなった。2018年のギャロップ社調査では、アメリカの菜食主義人口は5%で過去20年一定していた。ところが、今年発表された同社の調査によると4人に1人が意識的に肉の消費量を減らしており、肉食離れが進行している事実が判明。理由は健康だけでなくエシカルやエコ、そしてサステイナビリティにある。

2019年4月の試験販売でバーガーキングの売り上げを18%伸ばしたインポッシブルワッパー5.99ドル(約640円)は、定番メニュー入り。大量浸透により外食産業の代替肉卸価格を15%下げた。

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