日本酒×フレンチのおいしいマリアージュ! 「獺祭・ジョエル・ロブション」がパリにオープンします。

  • 文:久保寺潤子

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バーカウンターでは軽食とともに、アペリティフとして楽しむ人も。シャンパングラスやワイングラスでサーブすることにより、香りがいっそう引き立ちます。

世界中でじわじわと人気を上げている日本酒。味にうるさいパリっ子たちの間でも、"Sake"への評価は高まりをみせています。日本の食文化に造詣が深く、「フレンチの神様」といわれるジョエル・ロブションも、日本酒に魅せられたひとりです。世界中に星付きレストランをもつフレンチの巨匠が惚れ込んだのは、日本でもファンの多い「獺祭」。一部の愛好家のみならず、多くのフランス人にその魅力を知ってほしいとの思いから、獺祭とロブションの料理を味わえる複合施設「DASSAÏ JOËL ROBUCHON」を2018年6月、満を持してパリにグランドオープンします。

パリ8区、エリゼ宮やエルメス本店のあるフォーブル・サントノレ通りに立つブティックは、1階にパティスリー、2階にバー&ティーサロン、3階にレストランが入るという構成。1階と2階は今年4月にプレオープンしており、1日に約200人もの人が訪れるほどの盛況ぶりです。6月19日にグランドオープンとなるレストランでは、ロブション監修による和とフレンチが融合した料理に、獺祭をペアリングしたコースなどが登場します。

獺祭の生みの親は、旭酒造の桜井博志。1984年に社長に就任した彼が、会社の存亡をかけて取り組んだこの日本酒は、精米率50%以上の大吟醸を山田錦のみでつくり上げたものです。そこからさらに高みを目指し、23%まで精米した米でつくった「獺祭 磨き二割三分」の誕生により、同社は爆発的な売り上げを記録。国内における日本酒の消費量が激減していた90年代に、日本酒ブームを起こすきっかけをつくりました。

「伝統的な日本酒から切り離して、ガストロノミーのための飲み物を提案すること。高級なブルゴーニュワインと同じ哲学に導かれるように、新しい味を探求したのです」と桜井。こうして生まれた獺祭は、世界中のガストロノミーとのペアリングを次々と実現させ、いまではニューヨークやパリをはじめ、世界中のレストランがこの日本酒を取り扱うようになりました。ロブションは「獺祭は水をもとに、最も繊細でデリケートな香りを醸し出す飲み物。おいしい酒は国境を越えて人を幸せにする力をもっている」と語りました。目下、ニューヨーク郊外に酒蔵の建設を予定している旭酒造。さらなる飛躍を求めて新たなブランドを計画中です。和食とともにSakeが世界で、より身近なものになる日も近くなりそうです。




チョコレートとの相性も抜群。ほかにもマカロンやケーキ、焼き菓子にもアレンジされています。

2階のバー、ティーサロンではほぼ全種類の獺祭を楽しむことができます。

1階のパティスリー。獺祭の酒や酒粕を使ったチョコレートやケーキ、洋菓子、パンなどを店内で製造、販売しています。デリや食材と並んで獺祭が棚に並びます。

凱旋門から徒歩10分という好立地。パティスリーと日本酒の組み合わせというのがいかにもパリらしい。

DASSAÏ JOËL ROBUCHON

184 Rue du Faubourg Saint-Honoré, 75008 Paris
TEL:01-76-74-74-74
営業時間:8時30分〜20時 ※ティーサロン・ランチは12時〜15時、ティータイムは15時〜18時、バーは18時30分〜22時、レストランは19︎時〜22時
休業日:日、月