黒ブドウと黒羊をイメージした、史上初の“真っ黒”なアードベッグが登場。

  • 文:西田嘉孝

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アイラ島やニュージランドに数多く生息する羊たちの群れに、アードベッグのマスコット犬「ショーティー」がこっそりと潜むパッケージ。「アードベッグ ブラック」700ml ¥15,180(税込・希望小売価格)

スコッチウイスキーの聖地とも呼ばれるアイラ島。日本の淡路島ほどの面積に9つのモルトウイスキー蒸溜所が稼働し、4000人に満たない島民の大半がウイスキー産業に従事する。そんな“ウイスキーの島”で生まれるアイラ・モルトの特徴が、潮の香りや海藻を含んだピート(泥炭)に由来するスモーキーフレーバー。なかでも世界で最もピーティかつスモーキーな香味をもつと言われていることから、“究極のアイラ・モルト”と称されるのが「アードベッグ」だ。

世界中に多くの熱狂的なファンが存在するアードベッグ。毎年開催されるアイラ・ウイスキー・フェスティバル(例年5月最終週から6月第1週にかけて開催)では蒸溜所公開日を「アードベッグ・デー」と定め、世界各国でイベントを開催。2012年から東京でも行われ限定リリースとなる記念ボトルのお披露目がされてきた。しかし、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、今年のアードベッグ・デーはオンライン配信のみの実施に。世界各国でのイベントが中止を余儀なくされるなか、記念ボトルのみがリリースされる運びになった。

そんな2020年のアードベッグ・デ−記念ボトルは、「アードベッグ ブラック(ARDBEG Blaaack)」。アードベッグでは初となるニュージーランド産ピノ・ノワールの赤ワイン樽を使用した、ベリー系の濃厚な果実と独特のスモーキーフレーバーが織りなす豊かで複雑な香味が特徴。羊の鳴き声を想起させる「Blaaaack」のネーミングや、唯一無二の個性を象徴する“黒い羊”をイメージした真っ黒のボトルなど、装いもユニークな一本だ。

1980年代にはほぼウイスキーの蒸溜ができないほどの経営難に陥るなど、1815年の創業以来、幾度となく困難を乗り越えてきたアードベッグ蒸溜所。「その門戸を2度と閉じないように」との思いから、2000年に発足したアードベッグ コミッティーは、いまや世界で12万人以上が集う巨大な会員制ファンクラブになっている。

今回の「アードベッグ ブラック」は、いわばそうしたファンたちを讃える特別なリリースだ。貴重な限定品なので、万が一手に入らなくとも、新型コロナウイルスが収束した暁には、ぜひバーで見つけて楽しんでみてほしい。

●MHD モエ ヘネシー ディアジオ
TEL:03-5217-9731
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