アウトドアウエアをファッションとして、街なかで着る人が増えています。国内では2011年の震災以降に顕著になったといわれますが、タフで実用的な服への関心が高まっています。こうした気風が広がる中で今見逃せないのが、デザイナーズブランドとスポーツメーカーとのコラボレーション。ここに掲載した一着は、日本のデザイナーズ「ヴァイナル アーカイブ」と、アメリカの「マーモット」がコラボしたマウンテンパーカです。モードにも通じる、バイカラーのグラフィカルな配色が秀逸です。この都会的なデザイン性こそが、純粋なスポーツウエアでは得難いコラボアイテムの醍醐味なのです。しかもこの服は、ゴアテックスを採用した防水・防風仕様。機能もカッコよさも文句のつけようがない、大人の着こなしをモダンに変える傑作アイテムです！

ファッションブランドの「ハイク（HYKE）」は、マイペースに活動しつつ、洗練されたコレクションを送り出している日本ブランドです。レディスブランドながら、ミリタリーやワーク系の作風で男性にも知名度が高い稀有な存在です。その彼らが2018年春に初めてコラボレートしたのが、アウトドアブランドの「ザ・ノース・フェイス」。そのコラボ第3弾となる19年春ではいよいよ、待望のメンズサイズが登場！ その人気の高さゆえに、2月の発売時には瞬時の完売が予想される話題のカプセルコレクションです。このアウターは、防水・防風・透湿性能で名高いゴアテックスを搭載したモッズ風レインコート。フードは折り畳んで収納でき、エレガントな立ち襟コートとしてデイリーに着られます。センスのよさが際立つこの服を入手するなら、素早い決断がマスト！

サンスペルは英国で1860年に創業された老舗ブランドですが、そのアーカイブアイテムに、フランスのルメールのエッセンスを加えたカプセルコレクションが発売されます。今回紹介するのはサンスペルのアーカイブにあったパジャマからインスピレーションを得たジャケットとパンツです。素材はコットンポプリンを採用。オープンカラーとパッチポケット、大きめのボタンなど、パジャマのディテールを受け継ぎながらも、モダンなシャツジャケットに仕上げています。同素材のパンツは、エラスティック仕様のウエストで、ワイドなシルエットがリラックス感を印象をづけます。伝統的なアイテムをフランスの感性で、モダンなセットアップへと生まれ変わらせたと言えます。

ドレスクロージングの分野ではここ数シーズン、英国調がブームですが、サイがつくったスプリングコートはこの流れを象徴するもの。スコットランドのインバーネス近郊の地名、バルマカーンに由来するこのコート、シングルブレスト、ラングランスリーブの伝統的なデザインをベースにしていますが、素材はキッドモヘア混のファインウールとメリノウールで織り上げた茶系の細かいガンクラブ柄の生地。モヘアの特徴である張りと光沢をもち、軽量で清涼感ある生地が着用時に軽やかさと上品さを演出します。シルエットはミリタリーベースのコートをベースに考えているので、ゆったりとしたカッティングが特徴となっています。長めの着丈が英国調のコートに新しい表情を与えることに成功した、好例と言える一着です。

1970～90年代にはポピュラーだったものの、いつしか人気が下火になったウエストバッグが、完全復活しています。流行に敏感な世界のセレブたちが身に着け、一気にブームが広がったのがその理由です。現代的な使いこなしのコツは、肩に斜めに掛け、着るように身に着けること。ここに紹介するのは、そんな服装のアクセントにぴったりな、横幅約20㎝の小ぶりなモデルです。肌のようなスキンカラーで、過去の時代のウエストバッグにはないモダンな表情があります。さらに、素材のユニークさにもぜひ着目を！ふわりと柔らかな、ごく珍しい鹿のヌメ革なのです。しだいに日焼けして、濃い茶色に移り変わっていく特性があります。このバッグはいわば、まだ未完成品。真に完成するのは、長く愛用して、自分色に育て上げた時なのです。