男女の服装の違いをなくす「クロスジェンダー」の考え方が、先端モードとしてビッグトレンドになったのは2013年前後のこと。その流れは広く一般化して現在まで続いている。都心では主に若年層で、中性的な服を着る男性の姿が目につくようになった。こうしたジェンダーレス・スタイルの着こなしにひと役買うのが、近年人気が高まるロングシャツだ。コートのように羽織れば、これ一枚で見栄えがする便利なアイテムである。ここに紹介するのは、チュニックタイプですっぽりと頭から被るヘンリーネックの一着。サイドポケット付きで機能面も工夫されている。ピンストライプ生地の素材は、麻とコットンの混合。女性が着るとワンピースに見え、男性だと民族的な雰囲気になる多彩な表情も魅力だ。

モードブランドのジル サンダーが再び注目を集め出したのは、2017年にクリエイティブ・ディレクターが交代してからだ。持ち前の品格やミニマリズムが蘇り、さらにモダンアートや彫刻のような美も加わって大幅にアップデートされた。その新生ジル サンダーのアイコンバッグシリーズが、上写真の「タングル」である。四角い小型の収納部を吊り下げるのは、有刺鉄線のように編み込まれた革紐のショルダーストラップ。まず女性に評判になったタングルはジェンダーレスなデザインであり、男性にも好評を博した。ここに掲載しているのは新たに展開されている、ストラップが約10㎝長くなったメンズモデル。これなら背の高い男性でも、肩がけや斜めがけも思いのままだ。

1774年にドイツで創業されたビルケンシュトック。多彩なサンダルを展開、最近ではリック・オウエンスやヴァレンティノとコラボしたモデルを発表し、精力的な動きを見せている。そんな老舗が創業年を冠した「1774コレクション」というラグジュアリーなサンダルを発表した。「アリゾナ」「ミラノ」「マドリッド」など、従来のアイコニックなスタイルにクラフツマンシップを加えたコレクションだ。同ブランドの象徴ともいえるコルク素材のフットベッドはやわらかなプレミアレザーで包まれ、アウトソールもこのコレクションのために開発されたレザーソールを採用し、耐久性や柔軟性を増した。パーツまで同色にしたミニマルなルックで、新たな定番になりそうな一足だ。

確かな歴史をもつ定番品は、色やデザインを少しアレンジしただけで新たな魅力を放つものだ。1912年創業のエルエルビーンの「ボート&トートバッグ」もそんな定番品のひとつだろう。そもそもは44年に氷の塊を運ぶために考案されたキャンバス地のバッグだが、その定番品に対してビームス プラスが別注をかけて製作したのは、通常とは違う深めのボトム部をもったトートバッグだ。ニューモデルと見まごうほどの新鮮さを感じる。2014年に発売した時にも瞬く間に完売していたが、今回もボディとボトムをツートーンにし、ボトムをエルエルビーンらしいタンとオリーブにして、再登場を果たした。大きさもラージとミディアム、スモールの3サイズが用意されている。

1975年創業、アメリカを代表するラゲージブランドとして知られるトゥミから発表されたのが「トーキョー・カプセル・コレクション」。2021年にオリンピックの開催を予定している都市・東京をモチーフに、機能的で躍動感を感じるデザインのバッグやアクセサリー類が揃う。これは「ジャスト・イン・ケース・トート」と命名された一点。「TOKYO」の文字がプリントされた専用ポーチ付きで、折りたためばコンパクトに持ち運びができるトートバッグだ。ストラップは肩かけもできる長さで、背面にはラゲージにセットアップできるスリーブも備えている。スポーツ用のウエアやギアの収納にも最適、大きめのサイズだから、外出先や旅先で荷物が増えた時にも重宝することは間違いなし。