やっぱりファッションは楽しい!『バイプレイヤーズ』たちの“東京ジェントルメン”スタイル

  • 写真:藤田一浩
  • スタイリング:壽村太一
  • インテリア スタイリング:作原文子
  • ヘア&メイク:大宝みゆき(田口トモロヲ)、林 裕子(松重豊)、廣瀬瑠美(光石研)、村上まどか(遠藤憲一)
  • 編集&文:佐野慎悟

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オンとオフの境目が曖昧になりゆく現代、ファッションも「いかに自分らしくあるか」がカギだ。
4月9日に公開予定の映画『バイプレイヤーズ』のメインキャストである田口トモロヲさん、松重 豊さん、光石 研さん、遠藤憲一さんの4人をモデルに、“もしもバイプレイヤーズが、ファッションモデルだったら?”というテーマのもと撮影を敢行。
生き方においても表現者としても、自分流のルールで、自分らしさを表現し続ける大人たちである。気負うことなく、心地いい服を自分らしく着る、それが“東京ジェントルメン”のスタイルだ。

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※この記事はPen3/15号「TOKYO GENTLEMEN」特集より編集部が再編集した記事です。

目に楽しい色の服は、気分がアガりますよね。──田口トモロヲ

茶系のグラデは、オジサン世代の強い味方。

眼鏡のフレームに合わせ、スエードのブルゾンとヴィンテージのポロシャツを茶系のグラデーションでまとめたスタイリング。各アイテムの色合いを同調させるだけでも、洗練された印象に仕上がる。


ジャケット¥121,000/エンダースキーマ(スキマ 恵比寿 TEL:03-6447-7448)ヴィンテージのシャツ¥32,780/ヴェルヴェット TEL:03-6407-8770 中に着たヴィンテージのポロシャツ¥5,500/ジャンティークTEL:03-5704-8188 眼鏡は本人私物。*価格はすべて税込。

大胆に着崩すことで、こなれたお洒落が完成。

玉虫色の光沢感が特徴的なセットアップでも、同系色のシャツと合わせるだけで、トレンドのワントーンコーデを再現できる。シワ感を活かしたジャケットであれば、袖口を折り返してラフに着こなすぐらいがこなれて見える。シャツの裾は外に出し、ネクタイにも遊び心のある柄を選ぶことで、堅苦しさをまったく感じさせない、気さくでフランクなオジサン像が完成する。


ジャケット¥80,300、パンツ¥50,600/ともにコム デ ギャルソン オム ドゥ(コム デ ギャルソンTEL:03-3486-7611)シャツ¥37,400/コモリ(ワグ インクTEL:03-5791-1501) 靴¥59,400/フット-ザ-コーチャー(ギャラリー-オブ-オーセンティック TEL:03-5808-7515) ヴィンテージのネクタイ¥2,750/ジャンティーク 眼鏡とハットは本人私物 靴下はスタイリスト私物 BRAUNのウォールクロック¥9,350、フォールディングチェア「plia」¥39,600/ともにリビング・モティーフ TEL:03-3587-2463  *価格はすべて税込。

田口トモロヲ●1957年、東京都生まれ。俳優、漫画家、ミュージシャンと、幅広いジャンルで活動の場を広げる。89年に主演した映画『鉄男』が国内外で熱狂的な支持を集め、カルトシーンを席巻。2003年から映画監督としても活躍。

植木等の「無責任男」に学んだ、スーツ姿のアナーキズム

 もともとはパンクバンドのボーカルとして活躍していた田口トモロヲさん。だが、当時から彼は、ライダースジャケットやデニムパンツといったロックの定番アイテムには目もくれず、ステージ上でも、普段着でも、スーツスタイルがお決まりだった。

「昔からリーゼントに革ジャンみたいな『オレ、ロックだろ』っていうファッションが、どうも気恥ずかしくて。それよりも僕は、一見、没個性的なサラリーマンの“内に秘めた狂気”みたいなものに惹かれていたから、オールバックのスーツ姿でアヴァンギャルドなことをやるほうが、よっぽどかっこいいと思っていました」

1989年に田口さんが主演した伝説的なカルト映画『鉄男』。ここでも、鉄に侵され狂気に染まっていく主人公が、通勤途中の平凡なサラリーマンだったからこそ、よりセンセーショナルに感じられた。

「スーツスタイルでいちばん影響を受けたのは、クレイジーキャッツの植木等さん。高度成長期に『無責任男』という価値観を掲げること自体、かなりアナーキーでカッコよかったんです。だから若い頃は古着屋で60年代当時のスーツを探して、植木さんっぽく着こなすようにしていました。60代になったいまは、和装に興味があります。和服でパンクって、かっこいいでしょ?」

<“乙女建築”をめぐる、ドラマの世界観が一冊に>

田口さんが池田エライザとともに主演したドラマ『名建築で昼食を』のオフィシャルブックが昨年末から発売中。気軽にお茶ができるフランク・ロイド・ライトの建築、アール・デコの旧宮邸、白洲次郎と正子の粋な暮らしが詰まった旧邸宅……。劇中で藤(池田)と千明(田口)が訪れた、都会に佇むノスタルジックでかわいらしい乙女建築を中心に、藤が暮らす部屋紹介や、千明が撮影した街並みなど、ドラマの世界観が凝縮された一冊。『名建築で昼食を オフィシャルブック』CCCメディアハウス ¥1,540(税込)


【関連記事】 池田エライザと 田口トモロヲが、ドラマ「名建築で昼食を」を振り返る。

自分に合うサイズも増え、いま、服選びに興味津々。 ──松重 豊

大人の変化球に、名脇役のセンスがにじむ。

チャイナシャツのようなノットボタンを採用したジャケットは、一見ベーシックな装いに、新鮮な違和感とともにモダンな印象を与えてくれる。通常のチャイナシャツはスタンドカラーがほとんどだが、ラウンドカラーであれば、オリエンタルっぽさも中和される。このように変則的なアイテムを取り入れる場合は、合わせるものはなるべくベーシックにまとめたほうが効果的。


ジャケット¥37,400/ワーダー(デザインワークス イチキュウロクゴ トウキョウTEL:03-3406-7669)ヴィンテージのシャツ¥14,080(アンサムチル TEL:03-6303-3206) ニット¥37,400(オーラリー TEL:03-6427-7141)パンツ¥25,300/ニードルズ(ネペンテス TEL:03-3400-7227)靴¥50,600(リーガル シュー&カンパニー TEL:03-5459-3135) 眼鏡は本人私物 KENDAIの「EMBROIDERD PIPE CHAIR」¥88,000/CIBONE TEL:03-6712-5301 フロアライト「TOIO 」¥178,200/日本フロス TEL:03-3582-1468 アルミコンテナ¥57,200/ALPOS /P.F.S. パーツセンター TEL:03-3719-8935 スピーカー「TRANSPARENT SPEAKER 」¥152,680/TRANSPARENT(ネイビーズ TEL:03-6434-1541)ルーペ¥16,500/リビング・モティーフ TEL:03-3587-2463 その他はスタイリスト私物。*価格はすべて税込。

異なる丈感で遊ぶ、縦軸のレイヤードスタイル

松重さんのように高身長であれば、ぜひ試したいのが縦方向のレイヤリングを意識したスタイリング。コート、ベスト、シャツと、長い丈と短い丈を交互に重ねていくことで、より奥行きが強調された装いが完成する。長い丈のものはニュートラルな色で統一し、丈の短いベストに目を惹く色を挿し込めば、さらに完成度は上がる。こんな時に重宝するのが、最近では珍しい、色柄が目を惹くヴィンテージのアイテムだ。


コート¥88,000/ワーダー(デザインワークス イチキュウロクゴ トウキョウ)ヴィンテージのベスト¥11,000(ジャンティーク TEL:03-5704-8188)ヴィンテージのシャツ¥8,910(ブラケット TEL:03-6416-8079) パンツ¥29,700(アナトミカ東京 TEL:03-5823-6186)靴¥40,700/エンダースキーマ(スキマ 恵比寿 TEL:03-6447-7448)眼鏡は本人私物 靴下はスタイリスト私物 フロアライト「TOIO」¥178,200/日本フロス *価格はすべて税込。

松重 豊●1963年、福岡県生まれ。大学卒業後、蜷川スタジオを経て、映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍。92年に「地獄の警備員」で映画デビュー。2020年10月に自身初となる著書『空洞のなかみ』(毎日新聞出版)を上梓。

60代を目前に控えたいま、ますますファッションが楽しい。

田口さんと同じく、青春時代にパンクロックに熱中していた松重豊さん。当時、身長190cmという長身の彼に合うサイズの服は、地元の福岡はもちろんのこと、東京にもなかなか見当たらなかったそうだ。

「だから蜷川幸雄さんの劇団でロンドンに連れていってもらった時に、カムデン・タウンの古着屋を巡って、自分に合うサイズの服を買い込んできました。その当時はよく下北沢で同い年の甲本ヒロトくんなんかと一緒にいましたが、彼はベスパにモッズコートで、僕は汚い革ジャンとジーンズにドクターマーチンみたいな格好でした」

近年では高身長向けの洋服も多く流通するようになり、ファッションの自由度は飛躍的に上がったそうだ。

「最近だと衣装でスズキタカユキさんの服を持って来てもらうことが多いのですが、シルエットもデザインも素材感も全部が自分好みだから、着用したものはほぼすべて購入しています。ただ、特殊な体型であることに変わりはないので、オックスフォードのボタンダウンシャツみたいにベーシックなものは、まったく同じものを何枚も購入して揃えておくようにしています」

若い頃に好きな服を着られなかった分、いま60代を目前に、ファッションの楽しさを存分に噛み締めているそうだ。

<偏愛するTシャツに、“松重モデル”が誕生>

松重さんが「細身のシルエットで着丈も長く、肌触りも抜群」と太鼓判を押すのが、久米繊維の「セイヤングTシャツ」。「ただ一点だけ、僕の細い首には襟のリブが若干太すぎるので、ホームページからオーダーできないか問い合わせたところ、特別に松重モデルとして商品化してもらえることになりました(笑)」。色は白、黒、オフホワイトの3色展開で、発売は今春の予定。各¥2,200(税込)/ともに久米繊維工業 TEL:03-3625-4188


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大人のお洒落に憧れて、親父のタンス、漁ったなぁ。──光石 研

オジサンたるもの、色柄に臆することなかれ。

ヴィンテージテイストのジャケットをメインに、ヴィンテージのプリントシャツとTシャツで、ホリデー感を盛り込んだカジュアルスタイル。この時のインナー選びの振り幅が実は重要で、普段単体では使えないぐらいの、思い切ったチョイスがほどよいバランス。アウターの中からチラッと見せるだけでも、その効果を十二分に発揮してくれる。ここでも全身のカラートーンを統一すれば、大人らしさは自ずとにじみ出る。


ジャケット¥198,000/コモリ(ワグ インク TEL:03-5791-1501) ヴィンテージのシャツ¥17,380/アンサムチル TEL:03-6303-3206 ヴィンテージのTシャツ¥7,700/ジャンティーク TEL:03-5704-8188 パンツ¥30,800/N.ハリウッド コンパイル(ミスターハリウッド TEL:03-5414-5071)靴¥55,000/トーガ ビリリース(トーガ 原宿店TEL:03-6419-8136) 靴下はスタイリスト私物 チェア「Wassily Lounge Chair」¥361,900/Knoll Japan TEL:03-6447-5405 SHOJI MORINAGA×YOICHIROUCHIDAのウッドベース(価格未定)/Crate TEL:099-274-4300 スツール「STUMP STOOL」¥462,000/alcarol(CIBONE TEL:03-6712-5301)*価格はすべて税込。

いま必要なのは、気分をアゲる背伸びのファッション

なにかと自粛することが多くて、世界中が明るいニュースを渇望している状況の中で、今季各ブランドから続々と発表された新作コレクションは、見ているだけでも心が躍るような、ハッピーな色や柄にあふれていた。こんな時だからこそ、普段よりちょっとだけ背伸びをして、目の醒めるようなイエローのコートにトライ。鼻歌混じりに街を歩けば、気分がすっきりと晴れそうだ。

 

コート¥71,500、Tシャツ¥15,400/ともにディガウェル TEL:03-5722-3392 ヴィンテージのシャツ¥27,500/ジャンティーク パンツ¥23,100/ニードルズ(ネペンテス TEL:03-3400-7227) 靴¥57,200/エンダースキーマ(スキマ 恵比寿 TEL:03-6447-7448) 時計¥19,800/カシオ(時計店エル TEL:03-3746-7893)*価格はすべて税込。

光石 研●1961年、福岡県生まれ。16歳の時にオーディションから映画『博多っ子純情』の主役に抜擢され、78年にデビュー。今年公開予定の映画『由宇子の天秤』では、瀧内公美演じる主人公の父親役を務める。

モダンなジェンツの身だしなみを、体現するファッションリーダー

 「世代的に、10代の頃はやはり『傷だらけの天使』の萩原健一さんと水谷豊さんのスタイルに憧れましたね」と語る光石研さん。「でも田舎じゃそんな洋服は売っていないから、親父のタンスをひっくり返して、それっぽく見えるものを着て歩いたりしていました。サイズが合っていなくてブカブカでしたけどね。親父も母親も、昔にしては身なりに気を遣っているほうでした。特に当時、親父が大事にしていたツイードのスーツが子ども心にすごくかっこよくて、その影響で、いまだにツイードには『大人のお洒落』っていうイメージがあります。つい最近になって、ようやくブルックス ブラザーズでツイードのスーツを仕立てたので、それがいまのお気に入りです」

光石さんのお洒落に欠かせないアイテムは、毎日インナーに着ている白いTシャツ。特にブランドのこだわりはないが、装いの清潔感には気を遣っているそうだ。

「あとは、現場に行くときにいつも着ている、両胸にポケットが付いたエンジニアド ガーメンツのコットンジャケットも、色違いで何着も揃えている定番アイテムです。どんな場所に着て行ってもちゃんと見えるから、昔から重宝しています」

光石さんのファッションを参考に、同じものを買い集めるファンも多い。

<光石さん主演の人気シリーズが、ついに最終話!?>

Pen Onlineのオリジナルドラマ『光石研の東京古着日和』の待望の新作で、いよいよ最終話となる第5話が、3月26日に公開予定。今回の舞台は、世田谷区の住宅街。下北沢でもなく、三軒茶屋でもない、こぢんまりとした池ノ上駅周辺をウロウロしながら、夜の古着ハントへと出発。『バイプレイヤーズ』シリーズ同様、今後のシリーズ化はあるのか? 期待が高まる最終話に、乞うご期待。


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俳優は服を着替えるだけで、スイッチが入るからね。 ──遠藤憲一

青空のように心地よい、モダンなスーツスタイル

ストレスフリーなゆったりとしたシルエットと、爽やかなペールトーンのカラーリングが、ダブルブレステッドのテーラードスーツをモダンな印象へとブラッシュアップ。どこまでも青く抜ける初夏の空のように、心地よく軽快なファッションは、気持ちを大胆にしてくれる。インナーに合わせるシャツやネクタイも、いつもより少しだけ、華やかな色柄を選びたいところ。

 

ジャケット¥72,600、パンツ¥37,400/ともにオーラリー TEL:03-6427-7141 ヴィンテージのシャツ¥7,700、ネクタイ¥5,500/ともにジャンティーク TEL:03-5704-8188 靴¥39,600/エンダースキーマ(スキマ 恵比寿 TEL:03-6447-7448)靴下はスタイリスト私物 チェア「SPLIT CHAIR」¥183,700/TECTA(アクタス TEL:03-5269-3207)*価格はすべて税込。

着こなしに差が出る、休日専用のアイテム

テーラードジャケットをカジュアルなアレンジで着こなすことは、お洒落な大人としての必修技能。細畝のコーデュロイジャケットは、普段のビジネススーツとは一線を画す、休日お洒落着の代表格。同じく休日仕様のレザーシューズも、ワードローブに必ず揃えておきたいマストアイテムのひとつ。全身でカラートーンを統一すれば、トレンド感も盛り込めて、スタイリングの新鮮さは飛躍的にアップする。

 

ジャケット¥63,800/宮本スパイス TEL:03-6447-2018 シャツ¥41,800、パンツ¥39,600/ともにトーガ ビリリース(トーガ 原宿店TEL:03-6419-8136) 靴¥61,600/エンダースキーマ(スキマ 恵比寿) チェア「SPLIT CHAIR」¥183,700/TECTA(アクタス) テーブル「40×40 waste waste table」¥2,310,000/PIET HEIN EEK(CIBONE TEL:03-6712-5301) SHOJIMORINAGA×YOICHI ROUCHIDAのウッドプレート(価格未定)/Crate TEL:099-274-4300 トランプ¥2,508/リビング・モティーフ TEL:03-3587-2463 *価格はすべて税込。

遠藤憲一●1961年、東京都生まれ。83年に『壬生の恋歌』でデビュー。83年には『太陽にほえろ!』の最終回に犯人役でゲスト出演。40代までは悪役としてのイメージが強く、2009年に『湯けむりスナイパー』で連ドラ初主演を果たす。

いちばん大事にしているのは、身体にしっくりとくる感覚。

『バイプレイヤーズ』シリーズでは、常にタートルネックニットを着ていたか、もしくは女装をしていた遠藤憲一さん。

「実名で出ていて、しかも芝居をしているから、フィクションとノンフィクションをごちゃ混ぜにしようと思って、衣装さんに普段、自分が着ないようなものを選んでもらいました。でも自分も一度気に入ったら、同じものを永遠に着続けるタイプ。ジーンズも何本か持っているけど、ウォーキングの時も、現場に行く時も、だいたい一緒。結局、穿くのは1本だけなんです」

そんな遠藤さんが服選びでいちばんこだわるポイントが、着心地とシルエットだ。

「芝居の場合は特に、衣装に着替えることでスイッチが入るから、着ていて気持ちがしっくりとくることがすごく重要。だから今回の撮影でも、スタイリストさんにいろいろと相談しちゃったんですよね(笑)。あと、芝居の時は靴も大事で、スーツ姿で走ることの多い刑事役の時は、必ず靴を持参するようにしています。見た目は革靴なんだけど、ソールがやわらかくて動きやすいやつ。芝居をしている時は、いちいち余計なことを気にしたくないからね」

今回も衣装をしっかりと身体に馴染ませた遠藤さんは、カメラの前で、いちばんダイナミックなポーズを披露してくれた。

<10年経ったいま、改めて震災を振り返る>

東日本大震災から10年、集中編成された『NHKスペシャル』8本のうち、遠藤憲一さんが主演を務めるドラマ『星影のワルツ』が、3月7日21時から総合テレビで放送された。震災から3日間、福島沖15㎞の海上を、自宅の屋根に乗って漂流した男性の実話に基づくドラマ。実際の救出映像や震災直後のニュース映像を随所にはさみ、忘れかけた10年前の記憶を新たにしながら、家族の絆と人間の底力を感動的に描く。


【関連記事】仕事中も休みの時も、面白いものを探し続ける。──遠藤憲一

この記事はPen3/15号「TOKYO GENTLEMEN」特集より編集部が再編集した記事です。