さすがローイング ブレザーズ、お洒落なマスクが大評判に。【コロナと闘う世界の都市から】

  • 文:鈴木希実 

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NEW YORKニューヨーク

さすがローイング ブレザーズ、お洒落なマスクが大評判に。【コロナと闘う世界の都市から】

文:鈴木希実 

マスクは2枚セットで25ドル。ローイング ブレザーズのオンラインストアで販売。購入すると1枚は購入者へ、もう1枚はフードバンクで働く人へ寄付される。2020年5月11日現在、次回入荷未定。photograph by Rowing Blazers

"New York State on Pause”――文字通りニューヨークが停止状態になって1カ月以上が過ぎた。この異常事態が日常となり、やっとペースをつかめてきたところで、2020年4月17日からは公共の場でのマスク着用が義務化に。家から出ると誰もがマスクをつけている光景は、これまでニューヨークではあり得なかった異様なもので、日常に戻るのはまだまだ先なのだろうという緊迫感を植え付ける。

そんななか、モダンプレッピースタイルで人気のNYブランド、ローイング ブレザーズがブレザーやスーツ、シャツなどの生地の余りや切れ端でマスクをつくった。大半を市のフードバンクで働く職員のために寄付し、残りをオンラインで発売したところ即・完売に。ブランド側もこの反応に驚きを隠せず、期待に応えるべくショップや関連工場からさらなる端切れを回収しているとのこと。安全な作業環境を保つため、市内の縫製工場で普段より少ないスタッフでの制作を進めているが、再入荷に向けて頑張っている。
売り上げの10%はカリフォルニア州に本部を置く非営利団体「Direct Relief」のコロナ対策基金に寄付され、余剰生地のアップサイクルで環境問題にも貢献でき、あえて着けたいと思わせるグッドデザインとくれば、再販時も争奪戦となるのは必至だ。