製造過程を見て触れて、三宅デザイン事務所のものづくりを『OBI KONBU』展で体感。

  • 文:Pen編集部

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三宅デザイン事務所のものづくりを支えてきたのは「一枚の布」という考え。今回の展示もその流れを汲むものです。

Pen最新号で特集している「三宅一生の仕事」。六本木 21_21 DESIGN SIGHTの『OBI KONBU』展では、最新のバッグ「OBI」と「KONBU」を通して三宅デザイン事務所のものづくりを立体的に知ることができます。

「OBI」は、平面で畳むと帯のような形状でありながら、広げて中にものを入れればふっくらとした立体感のあるシルエットになるバッグ。加熱により硬化する特殊な糸を用いたジャージー素材でつくられており、バッグの内側はやわらかく、外側はハリと光沢があります。帯の状態で部分的に熱プレスを加えたものが展示されていて、一枚の生地に柔硬が共存する、このプロダクトの面白さに気づくはずです。

なめらかな肌触りから名付けられた「KONBU」は、ポリエステルとナイロンの細い糸で編み上げた生地を、加熱により1/4のサイズまで圧縮し染色。目がしっかり詰まっていながらも軽い仕上がりとなっています。手間と時間がかかるこの独自の製造工程も、今回のためにつくられた2分ほどの映像で確認することができます。

制作過程のものに実際に触れることができ、工程の細部まで見ることができる今回の展示。三宅デザイン事務所のものづくりの根幹にあるものを感じることができるでしょう。


※展示の一部には触れられないものもあります。

左から、「OBI」バックパック(W20×H62cm)¥49,680(税込)、トートバッグ(W20×H53cm)¥45,360(税込)

平面に畳むと、バックパックもトートバッグも写真のように帯状に。日本の伝統色をイメージし、漆の朱や黒、紫紺の各3色展開。

発色のよさを活かし、カラーバリエーションは全21色という「KONBU」。手前から、リーフグリーン、ライトブルー、イエロー。大サイズ(W44×H54cm)¥21,600(税込)、小サイズ(W33×H40cm)¥17,280(税込)

写真右側に展示されているのは、「KONBU」が圧縮される前の状態のもの。1/4のサイズ感というのがひと目でわかります。(撮影:吉村昌也)

「OBI」と「KONBU」のふたつの製法に着目したシンプルな展示構成で伝えられる、三宅デザイン事務所のものづくり。(撮影:吉村昌也)

『OBI KONBU』展
開催期間:2019年1月19日(土)~2月18日(月)
開催場所:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3
東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
TEL:03-3475-2121
開館時間:10時〜19時
休館日:火曜
入場料無料
www.2121designsight.jp