ジージャンを大人が着るお手本。ジュンヤ ワタナベなら一着でコーデが決まる!

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    構成、文:高橋一史
    写真:宇田川 淳

    Vol.80 ジージャンを大人が着るお手本。ジュンヤ ワタナベなら一着でコーデが決まる!

    COMME des GARÇONS JUNYA WATANABE MAN

    近頃は欧米と同じ「デニムジャケット」の呼び名が定着してきましたが、和製の「ジージャン」(ジーンジャンパー)もいい名称です。同型のアウターならデニム生地を使っていなくても、この言葉で言い表せられます。なお、「ジー(大本はjean)」を「G」にして「Gジャン」とする表記もあります。これはアメリカ進駐軍「GI」の頭文字で、彼らの服装から考えられたとする説が有力。いずれも和製単語ですから、ジージャンでもGジャンでも間違いではないでしょう。

    流行のワイドパンツと相性がよく人気のこの服を、大人が都会的に着るにはひと工夫必要です。野暮ったく見えないように上品な服を合わせるのがコーデの基本ですが、意外と難易度が高いもの。そこでお薦めしたいのが、「コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン」。この春夏はジージャンと別の服をミックスしたレイヤードアイテムを豊富に展開しています。これ一着でトップスのバランスが整いますから、あとは好きなようにパンツやシューズを選ぶだけ。

    ここに紹介する4着の中で、まず最初にご覧いただくのが上写真のもの。フロントだけがデニムのジージャンで、背中も含むそれ以外がストライプのドレスシャツです。男の定番服2着がひとつになり、シャツにもアウターにも着られる服になりました。色がシックなブルー系で揃えられているため、パンツの色合わせも自由自在。ベージュでトラッドに、黒でモードに、ネイビーでドレッシーにと、その日の気分で着こなしを変えられます。

    テーラード襟のワークジャケットとジージャンが一着になったアウター。ジージャンより着丈が長くウエストも隠せて、大人が着やすいバランスになっています。ジージャン部分はフロントのみで、生地は細畝の綿コードクロス。ほかの生地は綿ピケで、同じ綿素材でも表情の異なる生地がユニークなコントラストを生んでいます。コーデはカントリー調のムードを活かして穏やかにまとめると良さそうです。

    ジャケット ¥86,900(税込)/コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン(コム デ ギャルソン TEL:03-3486-7611)

    型はこの記事冒頭の服とほぼ同じで、色がノーブルな白に統一されたジージャン+ドレスシャツ。フロントのジージャン部分は綿麻ツイルで、シャツ部分は綿ブロード。微妙な素材違いがこの服にさらなる奥行きを与えています。後ろ姿は完全にドレスシャツですから、白シャツが人気のこの春夏に人に差をつける一着としても大いに活用できるでしょう。ボタンを全開してTシャツの上にジャケットとして羽織る着方も絵になります。

    シャツ ¥57,200(税込)/コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン(コム デ ギャルソン TEL:03-3486-7611)

    今回の最後を飾るのは、さらにクリエイティブなアイテム。後ろから見ると重ね着したジージャンですが……、

    前から見るとテーラードジャケット! フォーマルとカジュアルを代表するアイテムが一着になり、ジャンルレスの服装が広がる現代にふさわしいアウターが完成しました。Wネームで製造したのは、イギリス王室御用達の3つの称号をすべて獲得しているサヴィル・ロウの老舗、「ギーブス&ホークス」。漂う品格と美しさは、伝統に裏付けされた高品位な仕立て技術の賜物でしょう。

    ジャケット ¥148,500(税込)/コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン(コム デ ギャルソン TEL:03-3486-7611)


    ここに紹介したアイテムはどれも形がベーシックで、長く着続けられるものばかり。いつ流行が終わるか分からないビッグシルエットでない点も、大人にお薦めする理由のひとつです。凝った仕様の服だけに安価でもありませんし、手に入れたら大切に愛用したいものです。

    同ブランドが長く協業を続けるリーバイス®とのWネームアイテム。デニム部分は春夏らしい綿麻素材。

    記事冒頭のシャツ ¥64,900(税込)/コム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン(コム デ ギャルソン TEL:03-3486-7611)