こんなことまで! 「45R」がはじめたデニム加工サービスの仕事ぶりがスゴすぎる。

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    構成、文:高橋一史
    写真:宇田川 淳

    Vol.69 こんなことまで! 「45R」がはじめたデニム加工サービスの仕事ぶりがスゴすぎる。

    45R

    上の写真を見て、「左右がまったく違う珍しいデニム」と思いますよね? 実はこれは、一本のデニムをリメイクしたもの。センターで縫製糸を解き、片側だけを加工した見本サンプルなのです。加工した部位は、クリーンなライトトーンに仕上げられた右側。左側の履き込んだ状態が大元です。このように手持ちのデニムを生まれ変わらせるプロジェクトを、「45R(フォーティファイブ・アール)」が10月からはじめました。その名は、「再びJEANS」。

    このサービスの特筆点は、主に3つ。まず第1に、対象アイテムが着用済みデニム限定なこと。ダメージを受けた生地の状態を職人が一本一本見極めて取り扱います。第2のポイントは、加工のバリエーション。上写真のように全体を薄くする、濃く染め直す、黄ばみや毛羽を除去する、ダメージを加えるなど豊富です(詳細はスクロールしてご覧ください)。そして第3は、お手頃なプライス。黄ばみ除去だけなら¥4,950(税込)から、染め直しでも¥9,900(税込)からという、高級クリーニング店の料金並みです。複数を組み合わせるとその分がプラスされます。

    ただしこのサービスを受けられるのは、45R製のスタンダードなデニム(パンツ)のみ。シャツ、アウター、他社製品はNGなのでご注意を。サービスを実施しているのは全国の主要店舗(詳細は記事最後のリンク先を参照)。店舗に持参し、スタッフと相談して加工内容を決めます。料金は見積もりを出してもらい、仕上がり後に支払う仕組み。預けたデニムは約1ヶ月後に仕上がる予定です。

    「タンスの奥に眠らせたり、色の落ち方に難があるデニムをもう一度愛用してもらいたい」との思いから生まれたこのサービス。1978年の創業から長年に渡りデニムを探求してきた45Rだからできる試みです。現在ファッションに敏感な層で、デニムに着目する人が増えています。流行しているレトロ調、ルーズフィット、ビッグサイズに合うパンツとして人気が出てきたのです。かつて愛用した一本を自分流にアレンジして、モダンな着こなしを愉しみましょう。

    このデニムは、左側の薄い水色のものを濃く染め上げた仕上げ。右側が完成形で、スミクロと呼ばれる染色です。オーダーのさいに染め方を選べるのもこのサービスの魅力。同じブルーでも一般的な合成染料のインディゴでなく、なんと天然の藍を選ぶことも可能です。加工参考価格 ¥9,900(税込)〜

    着用の少ないデニムを長年穿き込んだように徹底してアレンジ。ストーンウォッシュ、ブリーチ、ダメージ、シェービングなど複雑な工程を経て完成されました。45Rのデニムを知り尽くしている職人が手掛けているからこそ、一本一本が異なるオーダーに対応できるのです。加工参考価格 ¥16,500(税込)〜

    これも複雑な工程を経ていますが、右側の加工後の膝部分にご注目を。黄ばみがなく色落ちも自然な印象に変化しています。このように膝やヒップだけが色落ちしたデニムも、ニュートラルに修正できます。穿いた人の味わいを残したアレンジに職人技が光ります。加工参考価格 ¥4,950(税込)〜

    最後に紹介するのは45Rの最新デニム。ノンウォッシュの未加工製品です。インディゴ染めの糸をタテ・ヨコに使い、黒に近い深い濃紺を実現しました。穿き込んだあとの、ひび割れたような色落ちも美しいクールな一本です。

    リジッドデニム ¥25,300(税込)  /45R(フォーティファイブ・アール TEL : 0800-800-9945)


    45fuku club
    https://45r.jp/jp/45fuku-club/

    左が加工前、右が加工後。淡色加工により綿の縫製糸まで色落ちして全体が馴染んでいます。加工参考価格 ¥13,200(税込)〜 ※要見積もり(以下同様)