流行中の斜めがけするサコッシュは、スポーツ系を選んで便利に使いこなそう!

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    構成、文:高橋一史
    写真:宇田川 淳

    Vol.36 流行中の斜めがけするサコッシュは、スポーツ系を選んで便利に使いこなそう!

    F/CE

    エッジーな若年層から人気に火がついた、素朴感のあるレトロな装いが、大人にも注目されるようになりました。イメージは、70〜80年代の服装です。研ぎ澄まして洗練させたスタイルに異を唱えるような、どこかかわいい着崩しスタイルがいまの気分です。足元をボテッとしたスニーカー(ダッド・スニーカー)にして、頭にはベースボール・キャップ。そして身にまとうバッグは、斜めがけするミニバッグで決まり!

    ミニバッグの中でも男性に人気なのが、“サコッシュ” です。もとは自転車のロードレースで使われる、飲料水などを入れた布バッグの名称ですが、類似したバッグを示す一般名称になりました。斜めがけのミニバッグは、かつて “ポシェット” と呼ばれ、女性向けとみなされていました。時代が移り変わったいま、スマホや財布を持ち歩くのに最適なこのバッグを、男性が使わない手はありません。流行が続いている今年の夏が、使い始めるのによいチャンスです。選ぶコツは、スポーツ系のテイストにすること。仕事着にも日常着にも馴染み、女性的にもならず、さらに洒落て見えるからです。

    そんなスポーツ系の中でお薦めなのが、上写真の「エフシーイー(F/CE)」。素材にもディテールにも、気になるトレンドがてんこ盛りです。素材は、3層レイヤーの防水生地、「X-Pac」。格子状の織り模様は、引き裂きに強くした結果の産物です。ファスナーは止水タイプで、雨水の侵入をガード。ポケットが多く使いやすさも兼ね備えたこれらのバッグは「勉強も運動もできて、ルックスもいい」、そんな優等生といえるでしょう。

    次ページ以降で、ディテールの詳細解説、別色のバッグ、着こなし達人のお洒落スナップをお届けします。

    モノトーンを選ぶのが、都会派の大人の選択。

    フラップつきバッグのフラップは、二つ折り式。まずベルクロで留め、さらに折り曲げてスナップで固定します。機能性を重視する「エフシーイー」らしい、収納物を保護する構造です。小分けポケットも多く用意されています。
    ストラップ幅が小型サコッシュより太いのは、荷物が重いときに肩に掛かる負担を減らすため。となると、「小型タイプにも太ストラップをつければ体が楽に?」と考えがちでしょう。でもそうしないのには理由があります。太いと、斜めがけして上からアウターを羽織るとき邪魔になるからです。見た目のバランスとしても美しくないこともあり、紐タイプが使われているのです。
    なお、エフシーイーのミニバッグはどれもストラップを外し、バッグ・イン・バッグの小物入れにアレンジできます。

    黒のバッグを好む男性は多いものです。服装を爽やかにクリーンに演出する白に対し、黒はバッグの存在感を薄くします。大きな黒バッグは真夏に使うには印象が重いものですが、小さなサコッシュなら年間通して使いやすいでしょう。
    上写真左のサコッシュは、すでにご紹介した白よりひと回り大きなタイプ。タブレット端末も収納できるサイズですから、ストラップを外してクラッチバッグとして仕事にも活用できます。右は、男女問わず人気沸騰中のウエストバッグ。サコッシュと同様に、ストラップを短くして肩に斜めがけするコーディネートがイマドキです。

    左 サコッシュ。(H26.5×W18×D2)¥8,100(税込)、右 ウエストバッグ。(H26×W12.5×D13.5)¥8,640(税込)/エフシーイー(ルート TEL:03-6452-5867)

    手本にしたい、洒落者のサコッシュ使い。

    バッグの斜めがけビギナーはまず、コーディネートで悩むものです。そこで今回は、着こなし上手な二人の洒落者にサコッシュ使いを披露してもらいました。
    まず一人目の登場は、「エフシーイー」のPRを担当する、平沼久幸さんです。

    「アウターの中に入れた使い方がポイントです。白Tシャツの上に白サコッシュを重ねて同系色でさりげなく」。
    そう語る平沼さんの着こなしには、真似できるヒントがたくさん。
    デニムアウター+白Tシャツ+チノパンツという王道のアメカジの組み合わせながら、どのアイテムにもひと捻りがあります。トップスをコンパクトに、ボトムをルーズにしてシルエットにメリハリをつける工夫も。平沼さんが提案するサコッシュの着こなしとは?
    「服の1アイテムと考えて、機能的なワークウエアを着るのと同じ感覚で身につければいいと思います。ジレのようにジャケットの内側にかませたり。ふだんはバッグ・イン・バッグとして使い、お昼の食事に出かけるときにストラップをつけて持ち歩くのもお薦めです。一個持っていれば、便利に使えるんです」

    服がシンプルだからこそ、時計やネックレスも抜かりなく。アクセサリーのようにサコッシュを身に着け、街歩きならこれで万全。

    バッグのテイストに合わせて足元もスポーティーに。愛用しているのは、話題のランニングシューズブランド、「ホカ オネオネ」のサンダル。


    続いての二人目は、アタッシェドプレスの活動を始めた、「ボールドマン」PRディレクターの宮本哲明さん。

    「ユナイテッドアローズ」で長年メンズのPRを担当していた宮本さんならではの、上品さのあるビンテージコーデです。長身を活かしたカラフルなスモック姿に、コットン素材の小さなサコッシュが優しい印象をプラス。胸下の高めの位置に持ってくるのが、流行の身につけ方です。
    「スモックは、ビンテージのフィッシャーマンウエアです。マルチカラーが珍しくて気に入ってます。ワイドパンツはイギリスの『イートウツ』で、さらに大人っぽさを出すために、『バス』のローファーを合わせました」
    小さいサコッシュは使いやすいのでしょうか?
    「モノを持ち歩くのが好きでないので、この小ささがいいんです。これはストラップを外せるから、その金具に車の鍵をつけちゃったりも。サコッシュって、車に乗るときに便利なんですよ。駐車場ですぐに取り出す小銭などを入れておくんです」

    宮本さんのサコッシュは、デンマークの「ノルディスク(NORDISK)」が展開するアパレルブランド、「イエティ(Yeti)」の非売品。ウィークデイの仕事時には、PCやスマホの周辺機器などを収めてバッグ・イン・バッグとして使っているそう。


    お二人の着こなしから見えてきたのは、サコッシュは「実用性のあるアクセサリー」ということです。小物入れとしてメインのバッグの中に入れ、必要なときに取り出すのも、お二人に共通する使い方。皆さんもまずはピピッときたモノをひとつ手に入れて、あれこれと自分流の使いこなしを考えてみませんか?


    撮影(人物):高橋一史

    止水ファスナーは、現在大人気のクールなディテール。
    上段写真 右上から時計回りに、フラップつきの大型タイプ。(H20×W26.5) ¥11,880(税込)、フロントに2つのファスナーがついた中型タイプ。(H17.5×W21)¥7,020(税込)、内部に多数のポケットつきの小型オーガナイザー。(H12.3×W18.8×D3.2)¥7,560/エフシーイー(ルート TEL:03-6452-5867)