「東京ミッドタウン日比谷」で見つけた! モダンライフと昭和レトロとが共存する、大人のための複合スペース

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    構成、文:高橋一史
    写真:宇田川 淳

    Vol.35 「東京ミッドタウン日比谷」で見つけた! モダンライフと昭和レトロとが共存する、大人のための複合スペース

    CAMIEL FORTGENS  Salvatore Piccolo

    開業から約1カ月のゴールデンウィーク前に、来場者数が200万人を越えたという、「東京ミッドタウン日比谷(以下、ミッドタウン日比谷)」。この商業施設の誕生により、すでに人の往来が激しい日比谷・銀座・有楽町エリアが、ますます盛り上がっていきそうです。

    訪れた人はお気づきでしょうが、ここは他の商業施設と異なる大きな特徴があります。それは、知る人ぞ知る店が多いということ。百貨店の顔であるラグジュアリーブランドがなく、駅ビルに常連の大手セレクトショップもありません。初登場の店やブランドが、それぞれのスタイルを競い合っています。まさしく、「個性で勝負!」な空間なのです。

    そんなミッドタウン日比谷で、大人の男性に特にお薦めしたいのが、「ヒビヤ セントラル マーケット」。テレビ東京で2018年5月8日(火)に放送されたTV番組『ガイアの夜明け』でも大きく取り上げられ、注目度の高さがうかがえます。この複合スペースの詳細は次ページ以降で解説するとして、まずはこの中にあるセレクトショップ、「グラフペーパー ヒビヤ」で見つけたシャツとパンツをご紹介しましょう。どちらも、いまの時代感がよく表れた服です。

    上の写真のシャツは、イタリアのシャツ職人、サルヴァトーレ・ピッコロの既製服。半袖で着丈が短く胸ポケット付きという、海外のシャツとしては珍しい日本人好みのデザインです。立体的な形や快適な着心地は、本場イタリアのシャツならでは。

    ベージュのパンツは、オランダで活動し自国で製造するデザイナー、カミエル・フォートへンスの一本です。5ポケットデニムをベースにしつつ、素材にコットンツイルを使い、端を切りっぱなしに。股上が深くワイドなシルエットのモード感と、ほつれた糸のクラフト感が融合しています。日本では取扱いが少ない、希少性のあるブランドの逸品です。

    ファッションのショップ2店の注目ポイント

    前ページと同じ店、グラフペーパー ヒビヤから、夏の大人のスタイルをチョイスしました。袖幅が太いバンドカラーのシャツブルゾンと、ゆったりとしたイージーパンツによる、リラックスしたリゾート気分の組み合わせです。

    トップをパリッとしたコットン素材にして、ボトムをテロッとしたキュプラ素材にすることで、イマどきなメリハリのあるバランスが生まれます。モノトーンに近い上下ですから、挿し色としてカラフルなサンダルを履いたり、色鮮やかなバッグを持っても洒落た着こなしになるでしょう。

    ブルゾン ¥49,680(税込)/ルメール、パンツ¥27,000(税込)/グラフペーパー(ともにグラフペーパー ヒビヤ TEL:03-6205-4860)

    上2点の写真はともに、グラフペーパー ヒビヤ(TEL: 03-6205-4860)の店内。広い空間にギャラリーのごとく服小物や家具などが置かれています。商業施設という場所柄、東京・神宮前にある旗艦店の「グラフペーパー」よりもレディスが充実しています。

    服飾、飲食、生活全般の複合スペースである「ヒビヤ セントラル マーケット」において、ファッション分野を担当する店です。続いてご紹介するもうひとつの店「ライブラリー」と比較して、より先端感覚でモードな品揃えが特徴です。

    上の写真は、ヒビヤ セントラル マーケットの中央に位置する場所です。ぐるりと囲んでいる本棚は、このスペース全体を運営している「有隣堂」(TEL: 03-6205-4862)の書籍販売のスペースです。

    本棚の中央にのぞくスペースは、もうひとつのファッション分野の店「ライブラリー」(TEL: 03-6205-4861)。中に入ると目につくのは、伝統的な生活雑貨やカジュアルな服の数々。「オーラリー」や「コモリ」といった日本の人気ブランドも取り扱われており、親しみやすく現代的なライフスタイルが提案されています。

    眼鏡を選び、髪を整え、一杯やる愉しみ。

    昨今の商業施設は女性をおもなターゲットに想定するのが通例ですが、ヒビヤ セントラル マーケットは、男性ビジネスマンが多い日比谷ということを念頭に置き、店を充実させています。

    上の写真は、ヴィンテージ眼鏡専門店の「コンベックス」(TEL: 03-6205-4453)。1940〜50年代のフランス製のデッドストックを中心に取り扱い、店頭に並んでいるもの以外にも数多くのストックが。スタッフが客の一人ひとりに合った眼鏡を探し出してくれます。

    上2点の写真は、昭和レトロな理髪店のイメージを再現し、懐かしさに歓喜する男性が続出しているという「理容ヒビヤ」(TEL: 03-6205-8987)。ドライヤーやバリカン、櫛など、グルーミング用品のデッドストックが、当時のパッケージのまま販売されています。目に入るものすべてに、昭和にタイムスリップさせる仕掛けが満載です。料金は、基本的な調髪で¥4,860(税込)。総合調髪で¥8,100(税込)です。

    最後にお届けするのは、居酒屋の「一角」(TEL: 03-6205-8996)。昼は定食を提供し、夜は23時まで酒やつまみが楽しめます(ラストオーダーは22時)。理容ヒビヤや、ファッション雑貨の「ディクショナリー」に隣接してシームレスにつながった、ユニークな店です。

    ヒビヤ セントラル マーケットは、ミッドタウン日比谷という都市の中に出現した,時空を超えた不思議な町。居酒屋の横では、熊本からやってきたスペシャルティコーヒーの店、「アンド コーヒー ロースターズ」がいい香りを漂わせています。あらゆる世代、人が愉しめるように設計されたこのスペースは、今後の商業施設のあり方を左右するデファクトスタンダードになるかもしれません。

    ※ 店舗写真提供:©ヒビヤ セントラル マーケット

    パンツのパッチには、サイズや素材表記に加え、軍モノのように製造年を大きく記す遊び心も。
    シャツ ¥38,880(税込)/サルヴァトーレ ピッコロ、パンツ/カミエル フォートへンス ¥58,320(税込)(ともにグラフペーパー ヒビヤ TEL:03-6205-4860)

    ヒビヤ セントラル マーケット
    東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷3階
    営業時間:11時~21時(一般店舗) 11時~23時(一部飲食店)
    http://hibiya-central-market.jp