ディレクターが代わった2018年春夏の新生「ジバンシィ」から、英国の薫...

ディレクターが代わった2018年春夏の新生「ジバンシィ」から、英国の薫りが漂っているのはなぜか?

文:高橋一史

ディレクターが代わった2018年春夏の新生「ジバンシィ」から、英国の薫りが漂っているのはなぜか?

英国の狩猟服のように肩が切り返しになった、細かいチェック柄のジャケットとベストによるスレンダーなルック。

歴史あるヨーロッパのファッションブランドにおいて、クリエイティブの方向性を決定づけているのが、クリエイティブ・ディレクターやアーティスティック・ディレクターと呼ばれる人たちです。彼らは服のデザインを手がけたり、デザインの方向性をスタッフに示したり、広告ビジュアルやショップの内装も企画します。ときにはロゴマークやブランド名を変えてしまうほどの大きな権限が与えられています。ブランドを刷新させたいときは、まずディレクターを交代させる、それがモード界の常識になっているのです。

「ジバンシィ(GIVENCHY)」は、2018年春夏のパリコレクションで、これまでのスタイルとは異なる新機軸を打ち出しました。まさしく、アーティスティック・ディレクターの交代に伴う、ネクストステージへの第一歩を踏み出したコレクションです。同ブランドを10年間担ってきたイタリア人男性、リカルド・ティッシ(RiccardoTisci)から引き継いだ新ディレクターは、英国人女性、クレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)。男女混合のショーの中で、メンズの服装における大きな変化は、リカルドが得意としたストリートテイストの大胆なグラフィックが影を潜めたこと。対して打ち出されたのは、すっきりとシャープなテーラードジャケットと、細身のパンツの組み合わせです。テディボーイ、グラムといったロックな感性を加えつつ、英国らしい上品で知的な着こなしに落とし込まれています。リカルドの服がダイナミックな “動” だとするなら、クレアのそれはストイックに自己を物語る “静” といえるでしょう。

老舗のジバンシィがクレアを迎え入れ、本来のエレガンスに立ち返ろうとする狙いも感じられます。伝統的なチェック柄などの英国調がいま再び流行している時代の後押しもあり、クレアのディレクションが脚光を浴びています。

ディレクターが代わった2018年春夏の新生「ジバンシィ」から、英国の薫りが漂っているのはなぜか?

テーラー仕立てのコートと、チェック柄の同生地のベストを組ませたテディボーイふうスタイル。

ディレクターが代わった2018年春夏の新生「ジバンシィ」から、英国の薫りが漂っているのはなぜか?

ライダースベスト+スリムパンツ+ブーツによる、ロックなコーディネート。

ディレクターが代わった2018年春夏の新生「ジバンシィ」から、英国の薫りが漂っているのはなぜか?

オーセンティックな中に遊び心を加えた、デニムのセットアップスタイル。

ディレクターが代わった2018年春夏の新生「ジバンシィ」から、英国の薫りが漂っているのはなぜか?

ジバンシィの新ディレクターに就任したクレア・ワイト・ケラー。カルバンクラインでレディスのレディトゥウェアデザイナーとしてキャリアをスタートさせ、ラルフローレンではメンズのパープルレーベルコレクションに従事。その後、プリングルオブスコットランドのクリエイティブディレクター、クロエのクリエイティブディレクターなどを歴任しています。

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