手の込んだ刺繍や華やかなプリント、歴史的衣装を時代の空気に落とし込み、毎シーズン美しいコレクションを見せてくれるドリス・ヴァン・ノッテン。彼がこの3月、パリのウィメンズ・ファッションウィークで100回目となるランウエイ・ショーを行ったのをご存じでしょうか？

そのコレクションは、ブランドのDNAのひとつである過去に用いたプリントの数々をリワークし、現代にアップデートした。着用したのは過去にドリスのショーを彩ってきたモデルたちという、ブランドの歴史をふまえて“いま”をつくった記念碑的な内容でした。ドリス自身「お祝いであり、このショーをこれからも記憶にとどめておきたい」と話すほどです。

そのメモリアルな100回を讃え、メンズ、ウィメンズの全コレクションを振り返る作品集が1～50回、51～100回と区切られ2冊に編纂され出版されることになったのです。ランウェイはもちろん、バックステージの模様、グラフィックが美しいインビテーションなど、ショーのテンションを2000枚以上の写真で表現。いままで公開されていないビジュアルも収録されている、充実の内容です。

更に嬉しいのが、各コレクションに著名ファッションジャーナリストからの解説が付くことです。メンズは『Business of Fashion』エディター・アット・ラージのティム・ブランクス、ウィメンズは『AnOther Magazine』編集長のスザンナ・フランケルがコレクションを詳述。単なる消費物として終わらない、背景やクリエイティビティをもったモードとしてのドリスの服を解説してくれます。

現にドリスは作品集について、「ショーを取り巻くすべてについて、テキストや写真をとおして理解できる」と話しています。

日本での発売は10月を予定。2冊セットとなった特別ケース仕様（限定版）も発売されるので、書店で見かけた際には手に取ってみることをお薦めします。