どこでも出合わなかった、「ちびっこギャング」のフィギュア

熟練編集者の物欲クロニクル

Vol.10
イラスト:多屋光孫 文:小暮昌弘
「これ欲しい!」を我慢できなかった熟練編集者が、私的に購入してきた品々を紹介する当連載。これまでこだわりの服や靴を披露してきた元メンズファッション誌編集長の小暮昌弘さんが、最後は番外編として、もうひとつの趣味であるフィギュアについて語ってくれました。出合った時に小暮さんが「ゾクゾクっとした」という、幻の品とは一体?

Vol.10 

私の家にはフィギュアがたくさんあります。『スター・ウォーズ』『トイ・ストーリー』『エイリアン』『ターミネーター』『フリントストーン』『インデペンデンス・デイ』『スポーン』など、アメリカ映画のキャラクターをかたどったフィギュアが多数。英国モノは『サンダーバード』や『キャプテン・スカーレット』などが中心です。サンダーバードは、1号や2号などのメカはプラモデルなどで比較的手に入りやすいのですが、フィギュアは珍しいので発見すると買うようにしています。スコットやバージル兄弟をはじめ、メカを設計したブレインズ博士やお洒落なペネロープ。原作が人形劇なので、ぜひとも欲しかったフィギュアです。日本生まれのフィギュアは「不二家」のペコちゃんや「怪獣ブースカ」ぐらいでしょうか。ペコちゃんは、セブン-イレブンのレジ近くの棚で見つけて、それ以来何体か購入しています。アイビー姿のペコちゃん、ポコちゃん、とても可愛いですよ! 

ファストフード店でおまけにもらえるフィギュアは、お宝。

家にフィギュアはたくさんありますが、別にコレクターではないので、シリーズで販売されているものを全部必死で揃えるとか、ネットのオークションを使ってまで買う、なんてことには興味がありません。おもちゃ屋さんやフィギュア屋さん(日本はほとんどなくなってしまいました)に入って見つけた時に買うことがほとんどです。海外でも同じで、時間があると街で見かけたおもちゃ屋さんをチェック! アメリカでは「トイザらス」は必ず見ますし、ハワイでお気に入りなのは「K・B Toys」、ニューヨークでは最近閉店してしまったのですが、名店「F・A・O・SCHWARZ」によく通いました。好きな人形は少ないのですが、ロンドンにある「Hamleys」(世界最古の玩具店)の古風な佇まいも好きです。アメリカの「タコベル」などのファストフード店では、よくフィギュアやそれに関連するおもちゃをセットにして販売しています。子ども向けなんですが、これは見かけたら絶対ゲットします。この種のフィギュアは日本ではなかなか手に入らないものでして……。

小さい頃、テレビで見た「ちびっこギャング」のスパンキーを発見。

しかし今回ご紹介するフィギュアは、おもちゃ屋でもファストフード店でもなく、ロサンゼルスの蚤の市で出合いました。ロスの蚤の市は週ごとに開催場所が変わるのでどこで入手したかは定かではないのですが、ローズボールかグレンデールか、あるいはロングビーチのマーケットだと思います。バイヤーズチケットを買って早朝から入った蚤の市で、未使用(だと思います)の箱入りの状態で並んでいました。日本では現在のテレビ朝日、当時のNETで放送されていた「ちびっこギャング」に登場したスパンキーです。同梱のパンフレットを見ると、テレビの写真が載っています。中央にスパンキーと少女ダーラ、両脇にアルファルファとバックウィートが並んだ写真です。ちびっこギャングは、喜劇映画で有名な映画プロデューサー、ハル・ローチが1930年〜40年代に制作した『Our Gang Comedy』という短編映画で、それをテレビ用に再編集したものを日本のテレビ局が買い付けて放送していたのです。ちなみにアメリカでは「The Little Rascals」というタイトルで、1994年にリメイクされています。アメリカではシリーズによってテレビ版もこのタイトルで放送されていました。「1961年から日本で放送」という記載を見つけましたので、私が小学校就学前にスタートしたことになります。都会(たぶんニューヨークだと思いますが)の裏町に住むガキ大将スパンキーを中心にしたドタバタコメディです。ちょっと太めで、帽子をかぶったスパンキー、相棒はいつもスーツ姿で驚くと髪の毛が1本立ってしまうアルファルファ。彼は歌うと声がすごく高い。ほかにも悪ガキが多数登場。目の周りが黒ブチになった犬のピートもいい脇役でした。筋書きはほとんど覚えていませんが、いつもバカ笑いしながら見ていました。

服もフィギュアも、一期一会が大事。

スパンキーのフィギュアは、アメリカの「The Hamilton Collection」という会社で製作されたものです。パンフレットに1993年とありますので、その頃つくられたものかもしれません。手書きでシリアルナンバー「1788D」と書かれていました。たくさんフィギュアは集めましたが、このフィギュアを見たのは初めて。雑誌などでも見たことがありません。だからちょっとゾクゾクっとした気分でお金を払いました。ちびっこギャングの中では、スーツにボウタイ姿のアルファルファが私は好きだったのですが、見つけた時はスパンキー1体だけでした。これを書くにあたって、製作したアメリカの会社のサイトも見ましたが、いまはこの種のフィギュアは製作していないようです。たぶんeBayなどで探せばほかのフィギュアが出てくる可能性もあるでしょう。でも、服にしてもフィギュアにしても“出合う”ことが大事です。日本かアメリカか、いや地球の果てかもしれませんが、またこうしたフィギュアに出合い、「一期一会」で買ってしまう、こんなことが私は好きなんです。まぁ、単なる買い物好きの言い訳なんですが……。

ブランド名:The Hamilton Collection

モデル名:THE LITTLE RASCALS “Spanky”

購入日:2000年頃

購入場所:ロサンゼルス

購入当時の価格:¥10,000程度

次号予告

創刊500号記念・完全保存版

愛用品と、ともに。