ニッポンを打ち出した、新宿「ビームス ジャパン」全6フロアの見どころはこれ!

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    1階フロア「日本の銘品とコーヒー」。

    遡ること18年前、「ビームス」各セクションの集合体として東京・新宿に出現した、地下から6階までの館「ビームス ジャパン」。今年の4月28日(木)に屋号はそのままに、“ニッポン” というコンセプチュアルなテーマを掲げて新生スタートを切りました。 “ジャパン” の名にふさわしい、ストリートスタイルから伝統工芸に至るまで、我が国の楽しさが詰まったユニークな店になっています。

    26日(火)に行われたプレス内覧会でチェックした店内の様子を、さっそくお届けしましょう。即完売間違いナシのコラボウォッチから、男ゴコロくすぐる懐かしのラジカセまで要チェックのラインアップです!

    「サスクワッチファブリックス」の小粋な別注シリーズ。

    これぞ「ビームス」ならでは、と感じるフロアが、3階「日本のセンス」。いわゆる、別注品と呼ばれるスペシャルアイテムがここに集結しています。「サスクワッチファブリックス」「エンジニアドガーメンツ」らの日本人デザイナーが手がけるブランドを中心に、「チャンピオン」「テバ」といった海外のオーセンティック系と取り組んでいるアイテムもあり。「吉田カバン」とのコラボレート「B印YOSHIDA」は、特別なコーナー展開に加えて、柿渋藍で染めたトートバッグなどニッポンらしいプロダクトも展開しています。

    「B印YOSHIDA」のコーナー。

    この3階で注目のアイテムといえば……「エンジニアドガーメンツ」×「タイメックス」×「ビームス ボーイ」のトリプルコラボウォッチ! 文字盤が反転しているのに(ロゴすらも)、針の動きは通常の時計回りという、人を喰ったような、遊び心満載の一本。洒落たチープ感がたまりません! 税抜き¥10,000というお値段も嬉しい限り。同じモデルのカーキ色が数週間前に先行発売され、即完売したという逸話もあるそう。ネイビーも同じ運命をたどること間違いナシで、4月28日(金)の発売日にはオープン前に長蛇の列が!

    立派な箱入りのコラボウォッチ。

    ミラー反転の文字盤がいい味出してます。

    3階奥の「レミ レリーフ」デザイナーが手がけたコレクション。

    続いて2階「日本の洋服」を見ていきましょう。「ビームス」が着目するニッポンブランドが集められたフロアです。「カラー ビーコン」「ホワイトマウンテニアリング」といったモード系から、人気の「RED CARD」の加工デニム、「UNUSED」らがブランドごとに見やすく置かれています。知らないと気がつきにくい注目ポイントは、フロア奥でコーナー展開されている「ビームス」のオリジナル。自社工場をもつ人気のカジュアル「レミ レリーフ」のデザイナー、後藤さんがデザインした特別なシリーズです。タグにもコーナーにも「ビームス」としか書かれていませんが、その裏側にはこだわりの服づくりが息づいています。

    3階の奥に位置する、カット&ソーのブランド「ループウィラー」。

    ジャンルを超え、広がるワクワク感。

    どれもちゃんと動きます!

    なぜトラックが !? の4階「日本のポップカルチャー」。

    ファッションというジャンルを超えたワクワク感が広がるのが、4階フロア「日本のポップカルチャー」。内装を特殊工作ユニット「ゲルチョップ」が手がけており、カオスでありつつもクリーンな空間になっています。写真集やアート本なども置かれていますが、気になったのは古いラジカセが並べられた一角。家電収集家の松崎順一さんの「デザインアンダーグラウンド」のヴィンテージラジカセで、もちろん販売品です。製品がつくられた当時の技術者が整備し直した品ですから、現役で使うことができます。カセットテープを持っていなくても、昔のニッポンならではの手が込んだプロダクトがもつ味わい深い造形をインテリアとして部屋に持ち込みたい人は多いでしょう。

    「ビームス ジャパン」は、地下1階〜5階までの構成。6、7階には「ビームスF」が拡大オープン。

    5階フロアで展開されている、陶芸家、故・濱田篤哉さんの皿。

    マニアが驚く、青いこけしの新作が登場。

    5階「日本のクラフトとアートギャラリー」は、「ビームス」の1セクションである、ニッポンの生活雑貨を追い続けてきた「フェニカ」を中心とした品揃えです。有田焼の器などが数多く並ぶスペースでは現在、著名な陶芸家、濱田庄司さんの三男、濱田篤哉さんの展示を開催中。

    ほかのユニークな品では、「フェニカ」がプロデュースした「青いこけし」があります。こけしは子どものおもちゃなので伝統的に赤い色で彩色されてきたそうです。その枠に囚われずに、オトナ好みの青い色で東北・仙台の若い職人である佐藤康広さんに製作してもらったところ、マニアが押し寄せて店頭から瞬く間に姿を消すほどの人気に!(詳細は2014年のこの記事をご覧ください。青色こけしが40分で完売! 1月26日まで開催の『仙台・東北の出張手しごと展』に、ビームスが参加しています」) 今回の新作は“灯台” をイメージしたモダンなボーダー柄のデザインです。今回も人気を呼びそうな新作の発売は、5月7日(土)なのでお見逃しなく。

    イラストレーター、長場雄さんが描いた土産ふうTシャツ(1階)。

    1階の浮世絵モチーフのスケボー。

    エントランス脇の人気のコーヒーショップ、「猿田彦珈琲」。席はなく、テイクアウトか立ち飲みオンリー。

    1階にはファンが多いカフェ「猿田彦珈琲」が出店し、地下1階にエビフライなどの “洋食”  を提供する「日光金谷ホテル クラフトグリル」もできた新生「ビームス ジャパン」。ファッションにせよ、アートや工芸にせよ、自分たちのアイデンティティを追求する動きが顕著ないまの時代感に即したコンセプトの店です。海外の人も訪れる、ニッポン発信の場にもなるでしょう。ちょっと寂しかったのは、女性の感性でつくられたフロアやコーナーがなかったこと。 “カワイイ” 文化がファッションや雑貨にあると、若い世代のニッポンらしさが表現されるように思いました。ほかにメンズでは、ストイックな洋服で “和の心” を感じさせる、オトナ人気が高い最近の上品なニッポンブランドも見たいものです。これからの展開と変化に期待しています!(撮影、文:高橋一史)

    BEAMS JAPAN

    2016年4月28日(木)オープン
    東京都新宿区新宿3-32-6 地下1階~5階
    TEL:03-5368-7300(代表)
    営業:11時~20時(1階~5階)、8時30分〜22時30分(猿田彦珈琲)、11時30分〜23時(LO.22時/日光金谷ホテル クラフトグリル)
    不定休