アディダス×オールバーズ、ライバル同士がタッグを組み地球に優しいスニーカーを開発!

  • 文:高橋一史

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アディダスとオールバーズが共同開発した、CO2排出量を大幅に削減した「フューチャークラフトフットプリント」。

世はまさにコラボレーション花盛り。大手スポーツメーカーは絶え間なくコラボスニーカーをリリースしている。その相手もファッションブランドからラッパーまで多種多様。これほどコラボ品が増えると、我々も並大抵のことでは驚かなくなった。そんな中で2020年に発表された、アディダスとオールバーズによるスニーカーの共同開発のニュースは久々の衝撃だった。いわばスニーカーブランド同士によるコラボだったからである。大手とスニーカーショップとの蜜月な関係はよくあるが、客の取り合いになり兼ねないライバル関係にある二者が接近する例は極めて珍しい。タッグが組まれた理由は、地球環境に負荷を掛けないスニーカーをつくるため。この彼らの試みがついに実を結び、製品化されることになった。

オールバーズはサステイナブルのリーダーになることを理念として、16年にアメリカで誕生したスタートアップ企業だ。ウールやユーカリの木など持続可能な素材で新時代のスニーカーをクリエイト。卸しをせず直営店のみで販売してCO2を削減し、19年にはカーボンニュートラルを達成。かたやアディダスも、いまや押し寄せるエコの波に乗っている。20年には「24年までにすべての製品のポリエステルを、リサイクルポリエステルに切り替える」と宣言。その象徴となったのが、歴史的な定番「スタンスミス」だ。昔ながらの本革モデルを生産終了させ、リサイクルポリエステルをアッパーにする方向に舵を切った。

両者の優れたインフラが活かされた革新的な新作の名称は、「フューチャークラフトフットプリント(FUTURECRAFT.FOOTPRINT)」。デザインと生産の過程でカーボンフットプリント(CO2排出量)を大きく減らし、その値「2.94kg」がミッドソールにプリントされた。一般的なスニーカーが一足12.5kg(オールバーズ調べ)で、オールバーズの自社製品でも平均値が7.6kgとされることを思うと、今回の数字が驚異的に低いことがわかる。なおオールバーズによると、自社製品の7.6kgは、「車で約30kmを走行、または洗濯乾燥機で5回洗濯したとき」に相当するという。新作のミッドソールはサトウキビ由来で、アッパーは70%のリサイクルポリエステルと30%の木材再生繊維のテンセル。オールバーズが研究してきた素材が活かされている。

製品はまず21年5月21日(金)午前9時に、ネットで無料登録できる「アディクラブ(adiCLUB)」の会員に世界100足限定で抽選ギフトされる。同年秋冬には10,000足限定で一般発売され、翌年にはさらに拡大販売される予定だ。アディダスならではの優れたパフォーマンスにも期待しつつ、完成したスニーカーに足を入れる日を心待ちにしたい。

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ミッドソールにプリントされた大胆な「2.94」は、このスニーカーの制作に掛かるCO2の量。

ランニングタイプのデザインで、高度なパフォーマンスが期待される。

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